新しい道
それから月日が経った。
みんなでスキーに行って、中間テストは相変わらずの結果。修学旅行は奈良に行って、鹿に鹿せんべいあげた。
春になった。
『3年生か…』
春休み、温かいココアを飲んでくつろいでいた。
(そろそろ進路も決めなきゃ…)
『大学行くか、就職するか…大学とかお金かかるよね…』
一人暮らしの私には大学は難しかった。
(大学行きたいな…)
春休みが終わって新学期。
もう3年生だった。
学校に着くと下駄箱付近は、生徒でいっぱいだった。
友達と同じクラスになれて喜ぶ人や、悲しんでいる人もいた。
『私は…』
3年B組だった。
『あ、他月と真姫と一緒だ!』
(龍馬と違うクラスになっちゃった…)
C組の龍馬と優也と柚は一緒のクラスだった。
『おはよー』
『れんちゃぁぁぁん!』
新しい教室に入ると真姫が走って抱きついた。
『同じクラスだね!良かった!あと、他月も一緒!』
『よっ!恋華!』
他月がこっちに向かってきた。
『みんな一緒にはなれなかったけど、よかった。』
少しだけホッとした。
『やった!下坂くんと同じクラス♪』
『真姫さんと一緒のクラスだ!やった!』
『塩谷さんと一緒じゃん!やったな。』
クラスでは、恋華や他月たちの話でいっぱいだった。
『あ、龍馬。』
教室の扉の向こうに龍馬が女の子と喋っていた。
その女の子は、見たことない子だった。
笑顔で喋っていて、お互い楽しそうだった。
不安な気持ちになって、胸が締め付けられるように痛かった。
『れんか!』
『ん?』
『ちょ、気づかなかったのか?』
『え?呼んでた?』
『他月、5回くらい呼んでたよ?』
『そ、そうだったんだwごめんね!』
『でさ、進路どーすんの?』
『あ、進路…』
『俺は音楽の専門学校行く。』
『私は大学行こうかなって』
『私は…就職しようかな』
『あー。恋華一人暮らしだもんな。』
『うん。』
『てか、塩谷さんがいる時点で私達終わったよね』
クラスの女子が陰で話していた。
『ほんとにね。センター気取りすぎ。』
『塩谷さんと同じ中学だったけどあの子のお父さん、人殺したんだって。』
『なにそれ!犯罪者の娘ってこと?』
『そうそう。あんな子がモテるとかありえない』
『外見だけだよね。喋ったことないけど腹黒そうw』
恋華が1番心配していたことは、これだ。
いじめは、もう経験している。だけどどうしてもいじめに強くなれない。
『おーい。恋華?』
『あ、え?』
『どうしたんだよ。ボーッとしてるけど』
『う、ううん。大丈夫。』
『なにかあったら言ってね?』
『うん』
相談しようかいつもここで迷ってしまう。
HRが終わり、みんなが一斉に帰った。
龍馬と帰ろうと隣のクラスを覗いた。
『あ、恋華』
龍馬とさっき喋っていた女の子が教室の扉の前にいた。
『龍馬…えっと…』
女の子といたこともあって戸惑ってしまう。
『この子友達?』
女の子が龍馬に問いかけた。
『ううん。大切な人。』
「大切な人」と言われて、恥ずかしくなってしまう。
『大切な人っていうことは、家族?』
『ううん。彼女。』
『……ふーん。』
『は、はじめまして。塩谷恋華といいます!よろしくね…』
『私はこの高校に転入してきた、御園晴ともうします。よろしく』
『晴は、俺が住んでるマンションの隣に引っ越してきたんだ。お互いに仲良くしようぜ!』
龍馬がニカッと笑った。
『うん!』
『………』
晴は、恋華をじとっと睨んだ。
恋華は、少しギクッとしてしまう。
『れーんかー!って龍馬!やほー!おひさー』
他月が片方の肩にリュックをかけてやってきた。
『お、他月じゃん。』
『よっ!って…この子誰?』
晴を見て他月が龍馬に問いかけた。
『晴ちゃんか!よろしく!あ、俺はバンド部の下坂他月です!』
龍馬の説明が終わって、他月が自己紹介をした。
『どうも。よろしくお願いします。』
『んじゃ、帰るか』
『じゃあ、俺と晴こっちだから。じゃーな!』
『おう!』
『ばいばーい』
恋華と他月は意外と家が近かった。
『あのさ…』
『ん?』
恋華が他月に話しかけた。
『相談したいって言ったら聞いてくれますか…』
恋華は下を向いて言った。
『おう!聞くぜ!』
『ありがとう…』
恋華と他月は、公園のベンチに座った。




