気持ちⅢ
『....とにかく誤解を解かなくちゃな....』
龍馬は、ソファの上で考えた。
『てか、そもそも心咲が悪いんだよ....』
ピーンポーン♪
『はーい....』
龍馬は、玄関に向かって扉を開いた。
『龍馬....』
『れ、恋華!?部活は!?え、怒っt....』
龍馬は、これ以上言ったら怒られてしまうと口をつむんだ。
『部活はなくなったの。』
『そ、そうなんだ....』
『龍馬。ごめんね。これからは....』
その後の言葉は、頭が真っ白になってしまって聞き取ることができなかった。
(別れ話....)
『ほんと、ごめんね。』
『なんで!?嫌だ!』
『....え?』
『別れるなんて嫌だ!』
『....何言ってるの?』
『え?』
『だから、これからは龍馬のことを信じてずっと仲良くしたいなって思ってるよ。だからこのことはほんと、ごめんね。って言ったんだけど....』
恋華は言った後ムスッとした。
『あ....え?あ、ありがと!じゃあ、怒ってないの?』
『うん。だってあの人彼女じゃないでしょ?』
恋華は少し笑って龍馬を見た。
『当たり前!これからもよろしくな!』
『よしっ!私、今からバイトだからじゃーね!』
『おう!いってらっしゃい!』
『うん!』
恋華は走ってエレベーターに向かった。
『やっぱ、恋華っていい奴だな....』
リビングで小さいころの龍馬と恋華の写真を見ていた。
『てか、懐かしい....』
肩を組んで撮った写真。夏の日にかき氷を食べている写真。初めて遊んだ時の写真。
そして....
『あ....』
棚の引き出しの中には、最後に恋華に当てた手紙の練習用紙だった。
『カッコイイこと書きたくていっぱい練習したっけな....』
(『好きです』とか『好きだよ』じゃなくて、もっと大人っぽい書き方したくて、『あ、それと恋華のこと好きだったから』とか。あれ漫画のセリフ抜き出したとか言えないけど)
『恋華は、あの手紙残してくれているのかな。』
卒業式の前の夜に泣くのをこらえながら書いたことを覚えている。
『....ま、残してくれてるだろうな。』




