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恋友の愛  作者: 桜音
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5/80

バンド

『おにーちゃーん』

『なに』

俺は、歯を磨いて学校に行くところだった。


『ばーか』

弟はそれだけ言って笑った。

『は?』

口をゆすぎ弟を見る。

『彼女と仲いい?』

『まぁ』

『悪い?』

『いいんじゃね?』

俺は、リュックを背負って玄関に向かった。

『あ!まって!』

弟もランドセルを背負って俺についてきた。

母さんは、いつも早く家を出て、仕事に行ってしまう。

父さんは、単身赴任で帰ってくることはほぼない。


『お兄ちゃん!ばいばい!』

『おう』


俺と弟は、バス停で別れる。


バスでイヤホンをつけお気に入りのロックバンドの曲を聴く。


(このバンド、ドラムうめぇな…でも、ギターがあんまりって感じだな)


その日その日で曲を変えて曲の感じをつかむ。

そんなことしている間に学校前に着いてしまった。


校門を入って、3階の部室に行く。

ずいぶん汚くなった『バンド部』の看板が目に入る。


『おはよーごさいまーす…』

部室には、先輩と同級生2人がいた。

『おはよー』

『なにしてるんですか?』

『新しい曲のイメージをしてたところ』

『なんていうテーマですか?』

『「愛」だよ(`・ω・´)キリッ』

『愛…か』

ガラガラッ!

『『遅れてすみません!!』』


そこには、1年生がいた。

『あぁ、早く楽器置いてきな』

『は、はい!』

先輩が指示をする。


(昨日、告白してきた子だ)


顔もそれほど可愛くないし、性格もイマイチだな。柚の方が断然にいい。


『まぁ、楽器に触らなきゃバンド部じゃねーな。午後練で決めるぞー!』

『はい!』

俺は、楽器室にあるドラムを持ってきて組み立てた。

そして、叩いた。

ドラムの音は、かっこいい。

音符がないのにこんなにも表現できるなんてすごいと思う。


先輩はボーカルで声の調節をしている。

後輩は、もう一人の先輩に基礎を学んでいる。


同級生は、俺と同じく自分の楽器を鳴らしたり、弾いたりしている。


ていうか、龍馬は恋華にコクったのかな。すっげー気になる。

バキッ!

『いてっ!』


われに帰って、痛みを感じた方を見る。


バチが折れて俺の手に当たったんだな、これは。


手から血が出てる。

『下坂ー!大丈夫か?』

先輩が心配する。

『大丈夫でーす』

『先輩!これ、どうぞ…』


昨日、告白してきた女の子が女子力を感じさせる熊の絆創膏を持ってきた。


『昨日は、ご迷惑をかけてすみませんでした。私の勝手な気持ちを先輩に伝えてしまって…』

『いやいや、俺こそキツいこと言ってごめん』

後輩は『いえいえ!私、傷ついてないので!気にしないでください!』と言って、先輩の方に行ってしまった。


ていうか、これ付けてたら柚に怒られるな。

『誰にもらったの?』『浮気男サイテー』などと言われる。

まぁ、

『それほど、俺のことを好きでいてくれてるのかな』

ボソッと呟いた。


キーンコーンカーンコーン


『鳴ったから楽器片付けてー』

『はい!』

楽器を片付けて整列する。

『お疲れ様でした、ありがとうございました』

『ありがとうございました!』


部員全員で言う。


『下坂先輩!』

『ん?なに?』

『あの、まだ私の気持ち変わりませんから』

『え?』

『先輩のこと好きでいさせてください!』


その声でみんなが見る。

告白だと思ったのか、体の向きまでこっちを見ている。

これ、断れねーだろぉ…


その途端、誰かに手を掴まれた。


『あの、この人私の彼氏です。告白しないでください。』

『ゆ、柚!?』

『え?先輩、誰ですか…?』

ここは、きっぱり言おう。

『俺、実は彼女いるから。隠しててごめん。なかなか言えなくてさ。。。』


ここで、周りがざわざわし始めた。


『いいえ。私こそしつこくてすみませんでした。ごめんなさい』

後輩は、走って行ってしまった。

『なんか、悪いことした?』

柚が問いかける

『いや、逆にありがとう。』


俺と柚は、仲良く教室に戻った。

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