気持ちⅠ
ドンドンッ!
『ん....うるせーなー....』
朝の5時。
まだ空は薄暗かった。
部活まで2時間ある。学校が目の前だから早めに出る必要はない。
『はーい....』
『りゅーうま♡』
玄関を開けると、女性が飛びついて龍馬に抱きついてきた。
『え、え!?な、なんですか!?........あ!』
『龍馬ー。忘れちゃったのー?心咲だよぉ?龍馬のか・の・じょ♡』
心咲は、中学校一緒のクラスだった人。告白されて断ったが彼女は諦めるどころか、彼女だと自分で確信している。
『は?お前の告白の俺の返事はNOだったの覚えてるか?』
『えー?なにそれー?NOでもYesでもカップルに違いはないんだよぉ?』
『....てか、なんでここにいんだよ!』
『私もこっちに転校してきたの♡』
『な、なんで....』
『お父さんの都合だよ♡』
『帰ってくんね?俺、部活なんだ。』
『じゃあ、お弁当作るね♡』
『龍馬ー!おは....よう?』
右の通路を見ると恋華がお弁当箱を持ってきていた。
『れ、恋華!おはよう!』
『だれ?この女。』
『え?』
『おい、心咲!何言ってんだよ!』
『あんた、龍馬によう?私の彼氏なんですけど?』
(このまんまじゃ、恋華が怒っちゃう)
『ちょ、お前何言っての!?』
龍馬は、心咲を押して恋華の方に向かった。
『龍馬♡私の告白にOKしてくれたよね?♡』
『ふざけんな。お前の告白は断っただろ?』
『....話してるところ悪いけど、私別にようはないから。』
恋華は鋭い目つきに変わっていた。
『あっそ。じゃ、帰ってくれる?』
『心咲!何言ってんだよ!お前が帰れよ!』
恋華は無言でお弁当箱を抱いて帰っていった。
『恋華!』
『帰った帰った。私、お弁当ここに置いておくから食べてね♡』
『おい待てよ。』
『どーしたの?』
『どーしたの?じゃねーよ。お前なんだよ。お前と付き合う気ないって言ってんじゃん。まとわりついてくるなよ。ストーカー』
『なんで、そんなこと言うのー?お口チャックだよ♡』
『うっせーんだよっ!!』
龍馬は、今までにない怒りをはいた。
『帰れ。』
『わかったー。じゃーねん♡』
心咲は、エレベーターに乗って下がっていった。
『はぁ....』
(俺が浮気したみたいになってんじゃんか。)
携帯を開いて、恋華にLINEした。
『なぁ、恋華怒ってる?』
すぐ既読がついた。
『べつに?』
『俺、浮気とかしてないから。あいつが勝手に付き合ってるって決めつけてるだけだから。』
『もういいよ?』
(怒ってんじゃん....)
『ごめん。おれ、部活だから。』
『うん。部活頑張ってね』
会話は、それだけ。
『先に学校行っておこー。』
〜学校に着いて、グループ練習の時〜
『龍馬ー♡』
サッカー場の柵の外から龍馬の名前を呼ぶ心咲がいた。
『ちっ....』
『お前、浮気してんの!?』
『うっせーよ!!』
『ご、ごめん....』
(なんでいんだよ....。気持ち悪いな....)
部活が終わって家に帰った。




