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恋友の愛  作者: 桜音
45/80

文化祭 ~さん~

『ま、まって』

『早く塩谷、前に進めよー』


うちのクラスのお化け屋敷の設置が終わると、お化け役は中に入ってスタンバイをしなければならない。


暗いところが、大の苦手な恋華にとっては地獄だった。


『誰かー!先に入ってください!』

『塩谷が先に行かなかったら、進まないんだけどー』

その途端恋華の腕を誰がつかんで、中に引きずりこんだ。

まあ、その人は誰かわかるけど。


『龍馬....』

『怖かったら、俺の服千切れるくらい、引張っていいから。』

『まって、例えが....』

といっても、光がない。ほんとにない。


『恋華、立ち位置のテープ何色?』

『水色』

『ここか。俺その先だから。がんばれよ』

『う、うん。』


手汗がやばかった。

お化け屋敷は、うちの教室の前の廊下から始まっている。

けっこう、長い道のり。


トン....トン....

足音が聞こえる。


『きゃぁぁぁぁ!』

『ひぃ!....』

入ってきた人の悲鳴に驚いてしまう。


『かなちゃん....先行ってよ....』

『いやだよ。怖いし』

1年生の子であることは確かだ。


あと少しで、恋華の出番だった。


そして、目の前にきた。


『わぁっ!....』

『............』

『わぁ!....』

『ど、どうも....?』

『お化けだ!....よ?』

『........頑張ってくださいね!』

1年生の子は、走って行ってしまった。


怖くないのか?なんなんだ?おどかすのが下手なのか?


『きゃぁぁぁぁ!』

そんなことを考えていると、また人がきた。


もう少しでくる!


『わぁぁぁ!』

『きゃぁ!........あ、塩谷さん!』

『あ、清水先輩....。』

この方は、委員会でお世話になっている方と、そのお友達さんだった。


『塩谷さんがお化け役って可愛い!』

『え....怖くないですか!?』

『塩谷さん以外の子は、怖いけど塩谷さん可愛くて、怖くないかな(笑)』

『....』

『まぁ、頑張ってね!』


お友達さんと先輩は、行ってしまった。


それから、恋華はがんばった。人を怖がらせることを目標に。


『わぁ!』

『し、塩谷先輩だ///』

『....怖くないの?』

『か、可愛いです!』

『あぁ。ばいばい』

『可愛かったですよおおおお!』

女々しい1年の男子は行った。というか、行かせた。


それか、3時間くらいの戦いは午前の部は終わってしまった。

帰りはなぜか1人で帰れた。



『れんちゃん!今日ね、いろんな人が驚いてくれた!』

『え!?』

真姫でも驚かすことができるのに、なぜ私は1人も驚かすことができないのだろう。


『恋華、どうだった?』

『誰も....怖がってくれなかった。』

『悲しいな。それは』

『俺、すっげー怖がられた』

『俺も』

『声かけ喉枯れるー』

『あ、優也くんおかえり♡』

優也は、真姫の頭を撫でた。


『一緒に屋台でご飯食べない?』

『おお!いいね!』

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