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恋友の愛  作者: 桜音
24/80

テロ&右腕

『うーん....どれにしようかなぁ....』


大型ショッピングモールの水着売り場でラッシュガードを選んでいた。


『これとかどうだ?』

一緒に付き添ってくれた柚が白のラッシュガードを持ってきて見せた。


『反映色だから太って見えちゃうから....』

『でも、黒だったら日差しを吸収するから暑いぞ...』


『そっか....あ!みて!白と黒のストライプ柄のラッシュガードあった!』


それは私が求めていたラッシュガードであった。


『おお!いいやつあったじゃん!』


ばーーーーーーーん!!


どこからか爆発音が聞こえた。


『な、なになに!?何が起こったの!?』

周りの人はパニックになっていた。


『もしかして....』


あたりから警報が鳴り、出入り口のシャッターがすべて閉まってしまった。


『静かにしろっ!!』

黒いニット帽にマスクを付けた男が拳銃を持っていた。


『テロ....』

隣にいた柚がそっと呟いた。


『大人しく座れ!さもないと撃ち殺すぞ!』


私たちは静かにその場に座った。

『ど、どうしよう....殺されちゃう....』

とにかく、怖かった。相手は拳銃を持っているし、言う事を聞かなければ殺されてしまう。


『おい、お前ら。今警察やらに10億円の身代金をもってこいと報告した。もし、身代金を警察が持ってきたらお前らをここから解放してやろう。た、だ、し。もし持ってこれなかったら....まぁわかると思うが全員殺す。わかったな?』


『まずいな....』

柚が下唇を噛み締めていた。


『10億円ってどんくらい....?』

『は?』

いや、10億円なんてそんなに使わない気がする....

『1億円を10個な』

『いや、それはわかるけど想像がつかないというか....』


『おい、お前らなに話してんだ?』

テロのメンバーらしき人が私たちを睨む。


『え、あ、いえ何もしてないです....』

『あぁ?なんか話してただろ?言えよ』

『....』

『黙ってねーで言え』

心臓が痛くて何も言えない。

『....』

『はやく言えよ!』

パキュン!


その途端、右腕に痛みを感じた。今まで感じたことのない痛みだった。


その場で私は倒れた。


周りからは悲鳴が聞こえ、柚が私の名前を呼ぶ声がした。





それから何時間....いや何日経ったのだろうか....

目を開けることができた。


そこは病院だろうか、ベッドに寝ていた。


目の先には、天井と....


『龍馬?....』

龍馬の顔があった。


『恋華!起きた!』

龍馬は、喜んでいた。


でも....右腕に力が入らなかった。というか右腕がない感覚がした。


右腕を見ると包帯でぐるぐる巻きになっていた。


『ゆ、柚は!?柚はどこ....』

隣のベッドを見ると柚が寝ていた。


『柚....どうしたの?』

『恋華が撃たれた後、柚も撃たれた。』

『ど、どこを撃たれたの....?』

『腹部....腹部は、1番危ないらしい。生きているかどうかもわからない状態なんだ....』


ガラガラッ!


扉が開くと、息切れしている他月がいた。


『恋華!生きてたん....だな....』

他月は、私を見て喜んでいたが柚を見ると顔を下に向けて落ち込んでいた。


やっぱり、自分の彼女が生きているかわからない状態だったら、それは落ち込むだろう。


『柚の両親は来たの....?』

『あぁ。昨日の夜にきた。他にも先生やバスケ部の顧問とテニス部の顧問。それに真姫と優也も来た。保険の先生も来てた。』


『そんなに、来たんだ....』

『柚のお母さんは泣いてた。柚のお母さん、心配症だって柚が言ってたからやっぱり、自分の娘が死と生の境目にいるとなると心配するよなって....』


その時思った。

(うちの親は来なかったんだ....)

お母さんは、中学の時に交通事故で亡くなったのはもう知っている。でもお父さんは来なかったんだ....。

高校の1年の終わり、お父さんはうちを出て行った。

なんでかは知らない。私を捨てたんだって今でも思っている。


あんな男....いなくなればいいのに....


『恋華....あと、1つ悲しい話があるんだ....』

『なに?』

『恋華の右腕....一生使えなくなったんだ....』

『え....?』

うそ....


『テニスできないじゃん!それに、字も書けないし箸だって持てないし....手術でなんとかできないの!?....』

『手術もできるらしいが、成功する確率がものすごく低く、失敗したら両腕が使えなくなるんだ....』

『一生使えないって....』


『柚....?』

他月が急に柚を呼んだ。


柚が目を開けたのだ。


『柚!!生きてた....柚が生きてた....』

他月は、号泣だった。


『なに泣いてんだ、お前...』

柚が少し笑って右腕を伸ばし、他月のほっぺを引っ張った。


『いててっ!だ、だって!柚が死ぬかもしれないって病院の先生が言ったから、どうしようって!』

『そうなのか....』

柚が私を見てきた。

『恋華、右腕....』

柚は、私の右腕を見た。


『一生....使えないんだって....』

『え....』

『大丈夫だよ....気にしてなんか....』

『ばーか。気にしてんじゃん。』

『いたっ!』

龍馬がおでこにデコピンしてきた。


『あ、そうそう!恋華は明日退院で、柚は明後日退院ね!』

他月が笑顔でそう言った。

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