35話:おあずけ
各話の中でも最大に甘々かもしれませんが……。
どうかお付き合いください(笑
放課後。一人、教室で机に突っ伏していた。
何か今日は疲れた……。
はぁ、っと溜息をつくと、人影に気が付いた。
「萌花」
今日、疲れたのはこの人影のせいだ。
しかし、彼は屈託のない笑みを浮かべて近づいてきた。
「どうしたの? 元気ないけど」
「はぁ、あんたのせいだよ」
「何の事?」
わかってるくせに……。
セナは少し意地悪な笑みを浮かべた。
「あんたがあんなことするからでしょ!? もう、質問と嫌味のオンパレードよ!!」
「へぇ、そうなんだ。ごめんね。だけど、萌花も悪いよね」
意味わかんないし。
私、何か言ったけ?
「やっぱり何も分かってないんだ……」
セナは少し目を伏せて悲しげな表情をしたので、少しうろたえた。
「え? なに? わかんないよ」
セナの顔を不安げに覗き込んだ。
しかし、セナはニヤッと笑うと私の腕を引っ張った。
「こういう事だよ」
ばさっと音がして、冷たい床に押し付けられた。
「な、な、な、何をっ!!」
顔が真っ赤に蒸気していくのを感じた。
しかし、セナはそんな私などおかまいなしのようだ。
手首、額、瞳、頬、首筋と順にキスをされた。
「くす。顔真っ赤」
「ちょ……ほんと、何やってんのよ!!」
焦る私の唇に自分の唇をそっと近づけてくる。
う、わ……。キスされる……!!
途端、目を閉じたが、一向にその感触はなかった。
「ここは……おあずけ、だね」
そう耳元で囁かれた。
ぼん。顔の温度はみるみるうちに上昇していった。
「じゃ、行こうか」
セナはそう言って、何もなかったような顔でにっこり微笑んだ。
何、あの行動!? 意味わからないよ!!
頭に疑問符が残るまま、私はセナを見つめた。
「何? 早く行こうよ」
少し満足そうなセナは先に教室を出てしまった。
ほんと、何なんだろ。
私もちょっとしてからセナの後を追った。
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「やべ」
セナは一つ溜息をつきながら呟いた。
あのままだったら多分、止められなかったと思う。
なんとかセーブしたのはいいのも、なんであんなに見つめるんだよ。
「はぁ……」
またセナは溜息をついた。




