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第18話 農家、頭脳プレーを実行する

 灼熱の大広間。轟々と火炎を吐き散らす火竜を前にして、拓海は腕を組んで仁王立ちしていた。

「ふっふっふ……今日は頭脳派の俺を見せてやるぜ!」


 レイカと水城は半眼で見守る。どうせロクでもないことになると、すでに予感しているのだ。


作戦①ペットボトルレーザー砲作戦


「火は水に弱い! そこで用意したのがこれだ!」

拓海が取り出したのは、カバンから引っ張り出したペットボトル。


「ペットボトル?」

レイカが目をぱちぱちさせる。


「侮るなよ! 魔素で強化し、さらに内部の水を魔素砲弾として発射できるようにした! 名付けて――ペットボトルレーザー砲だ!」

自信満々で構える拓海。


「……へぇ」

思わず感心するレイカ。


「なるほど、一応理屈は通ってるわね」

水城も珍しく肯定。


「よーし! いざ、発射!」


 ――次の瞬間。


 ドゴォンッ!


 ペットボトルが盛大に破裂し、拓海は頭から水を浴びて全身びしょ濡れになった。


「なんで……」

ぽかんと呟く拓海。


「水圧に耐えきれなかったんでしょ。強化したとはいえ所詮ペットボトル。もつわけないわ」

冷静に分析する水城。


「ぷっ……ははははっ! 拓海、ずぶ濡れ!」

レイカは腹を抱えて笑い転げる。


拓海は口を尖らせて反論した。

「し、失敗は成功のもとだ! 次の作戦だ!」


作戦②逆鱗攻撃作戦


「竜といえば逆鱗! 身体のどこかに一枚だけあるという逆鱗を狙うのだ!」

胸を張って宣言する拓海。


「……全身炎に包まれてるのに、どうやって見つける気?」

レイカが即座に突っ込む。


「そ、それは……ほら、直感?」


「……」


「……」


 二人の沈黙が何より雄弁だった。拓海の自信満々の作戦は、実行前にあっけなく終了した。


作戦③窒息作戦


 それでも拓海はめげない。拳を握りしめて再び叫ぶ。

「よし、逆鱗は無理でもまだある! 火は酸素が無いと燃えない! ならば――火竜を窒息させればいいんだ!」


「……嫌な予感しかしない」

水城のこめかみに青筋が浮かぶ。


「つまりだ! 枯れた野菜の葉っぱを大量に与えてやる! 火竜がガンガン燃やすと、そのうち酸素が尽きて……」

拓海は自信満々に胸を張る。


「ちょっと待って! そんなことしたら私たちまで窒息するでしょ!」

レイカが全力で突っ込む。


「あっ」


 拓海は硬直し、次の瞬間がっくり膝をついた。


 火竜はというと、人間たちの茶番を理解したかのように首をかしげ、まるで「こいつら本当に戦う気あるのか?」とでも言いたげに鼻息を荒くしている。


「……やっぱり頭脳プレーは拓海には無理だね」

レイカがため息交じりに結論を出す。


「そうね。彼は力技とズルだけで十分よ」

水城も冷徹に同意した。


「うう……なんで俺ばっかりこんな扱いなんだ……」

拓海はびしょ濡れのまま地面に崩れ落ちるのであった。

「農民こそが最強です。〜うっかりダンジョンを水没させたら世界最強になってしまいました〜」もよろしくお願いします!


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