↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
82/94

第14話 農家、チートで無双する

「ふぅー……やっと倒せたな」

トレント戦を終えた一行は、一旦大広間に戻って息を整えていた。


「じゃあ次は俺の番だな! ベジに負けないように俺も頑張るぞ!」

胸を張って宣言する拓海。


その言葉に、レイカと水城は同時に顔をしかめた。


「……あんたが張り切ると、だいたいロクなことにならないんだよね」レイカが半眼で睨む。

「暴走してダンジョンごと吹き飛ばして、生き埋めだけはごめんよ」水城も冷ややかに釘を刺す。


「お、お前ら……どれだけ俺を信用してないんだよ……」

拓海はがっくりと肩を落とすが、すぐにスコップを握り直し、にやりと笑った。

「農家の勘を信じろ! 俺の農家センサーが反応してるのは……こっちだ!」


そう言って選んだ通路を進むと、やがて目の前に広がったのは、ぬかるみだらけの巨大な沼だった。


「うわぁ……絶対なんか気持ち悪い系が出るやつだ……」レイカが顔をしかめる。

案の定、沼の表面がぼこぼこと泡立ち、泥の塊のような腕がにゅっと伸びてきた。

「ギョロロロロロ……!」

這い出てきたのは泥田坊。全身が泥で出来た巨大なゾンビのような怪物だ。


「ワンッ!」

ベジが先制し、炎を吐き出す。だが泥田坊の体は表面が少し乾いただけですぐに元通り。

「ギョロッ」

まるで効いていないようにずぶりと歩み寄ってくる。


炎がダメなら物理で!と言わんばかりにベジが飛びかかり、爪で斬り裂く。

しかし斬られた部分も泥が流れ込み、あっという間に再生した。


「……これ、どう攻撃すればいいの?」レイカが困り顔で振り返る。

「炎も斬撃も効かないなんて……厄介ね」水城も唇を噛む。


そんな二人の背中から、拓海が一歩前に出た。

「ふっ……みんな、俺に任せてくれ!」


「……一番聞きたくない台詞が出たわね」レイカが額を押さえる。

「また変なことするつもりじゃ……」水城が眉をひそめる。


だが拓海はお構いなしにカバンをガサゴソと漁り、取り出したのは――赤々とした丸い粒。

「いけぇぇぇ!」

勢いよく投げつけると、泥田坊の全身にぼすっと突き刺さった。


そして次の瞬間、拓海が手をかざして魔素を送り込むと――。

「ギョ……ギョロロロ……!?」

泥田坊の体からみるみるうちにツタが伸び、全身を絡め取っていく。

あっという間にグルグル巻きにされ、まるで巨大な野菜ロールのように動けなくなった。


「は?」レイカと水城が揃って固まる。


「やったぜ! 農家パワー!」拓海がドヤ顔で親指を立てる。


「……こんな倒し方って、ずるくない?」レイカが呆れ顔。

「戦闘ですらなかった気がするわね……」水城もため息をつく。


その横で、ベジが泥田坊の身体に成ったゴーヤをガジガジと噛じり始めた。

「ワン! (うめぇ!)」と尻尾をぶんぶん振るベジ。


「おいベジ、それは魔素入りのゴーヤだからな! ……まぁお前なら大丈夫か」拓海が笑って頭を撫でる。


そして、動かなくなった泥田坊の胴体から拓海がダンジョンコアをスコップで掘り出すと、キラリと光が走った。


「よっしゃ! コアゲット! さあ、次行ってみよー!」

拓海は意気揚々と叫び、大広間へと戻っていった。


「農民こそが最強です。〜うっかりダンジョンを水没させたら世界最強になってしまいました〜」もよろしくお願いします!


https://ncode.syosetu.com/n6868ky/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。