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第11話 農家、チートパーティを作り出す

拓海の転移スキルによって、3人と1匹は富士山ダンジョン入口へと一瞬で移動した。

周囲は赤黒い岩肌に覆われ、魔素の濃度は息を吸うだけで肺が焼けるようだった。拓海は眉をひそめる。

「……やっぱりな。魔素が濃すぎる。俺が直接吸収するのは難しそうだ。結局はダンジョンボスをぶっ倒さなきゃ駄目か」


その言葉に、水城が静かにうなずく。

「想定の範囲内ね。ボス戦の準備は怠らないで」


拓海はふと真剣な顔になり、二人の前に立った。

「……実は、試したいことがある」

「へ?」レイカが首をかしげる。

「俺の魔素、どうやら他人に流し込むとスキルが変化する可能性があるんだ。ちょっと手を出してみてくれ」


二人は顔を見合わせる。

「怪しいけど……やってみなさい」と水城。

「なんか、拓海に手を差し出すのちょっと恥ずかしいんだけど……」とレイカは赤面しつつも手を伸ばした。


拓海が二人に魔素を送り込むと――


「……う、うわっ!? 体の奥から力があふれてくる……!」レイカが声を上げた。

水城も目を見開く。「これは……私の封印スキルが、まるで……拡張されている……!」


ステータスが浮かび上がる。


レイカのスキル:召喚 → 従魔召喚(進化)

召喚された存在はSSSダンジョンボス級。そしてベジが「ポフッ」と光に包まれ、レイカの従魔に登録された。


「え、ええぇ!? ベジが私の従魔になっちゃったの!? っていうか、なんか更にめっちゃ強くなったオーラを感じるんだけど!」

ベジは誇らしげに胸を張り、「ワン!」と雄叫び。赤黒い魔素が渦巻き、地面が震えた。


水城のスキル:封印 → 封纏(進化)

「今まで直接触れなければ封印できなかったのに……武器に力を纏わせて遠距離攻撃も可能になった……。これ、戦術が根底から変わるわ」


二人は呆然としながら同時に叫んだ。

「なにこれ!? 完全にチートじゃない!」


拓海はニヤリと笑い、次に二人に手を差し出す。

「じゃあ、次は武器を貸してみろ」


半信半疑で渡された武器に魔素を込めると――見た目は変わらないが、確実に力が漲っていた。


レイカの武器:魔鉄鋼の長刀 → 進化版魔鉄鋼

軽さと強度が増し、さらに土を操る能力が付与された。

「ちょ、土!? 私の長刀が畑仕事にも便利になったじゃん!」

「戦闘用に使え!」拓海がツッコむ。


水城の武器①:魔鉄鋼の手甲 → 進化版魔鉄鋼

力が増し、水を自在に操れる能力を獲得した。

「水の操作まで……これなら、炎や熱にも対抗できる」


水城の武器②:魔鉄鋼銃 → 魔素銃

魔素を弾丸にして撃ち出せる仕様に進化。

「これ、実弾要らず……? 便利すぎるでしょ」


レイカは目を丸くしながら武器を構え、ため息混じりに笑った。

「もうさ、私たち完全にラスボス撃破後の隠しキャラみたいになってない?」

「同感だわ」と水城も苦笑する。


拓海は胸を張って宣言した。

「これで準備は整ったな! さあ行くぞ!」

「ワン!」とベジが吠え、炎のような気配をまとう。


3人と1匹は、チート級の力を携えて富士山ダンジョンの深淵へと歩みを進めるのだった。

「農民こそが最強です。〜うっかりダンジョンを水没させたら世界最強になってしまいました〜」もよろしくお願いします!


https://ncode.syosetu.com/n6868ky/

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