↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
58/94

第13話 農家、暁を救う

ダンジョンを脱出した拓海たちは、待機していた部隊の協力を得て、

意識のない「暁」のメンバーをそのまま基地併設の病院へと運び込んだ。


病院専属の高位ヒーラーが待ち構えており、治癒魔法の光が部屋いっぱいに広がる。

ほんの数分後には、5人全員が上体を起こせるほどに回復していた。


「……助かった。本当にありがとう」

リーダー、暁真理が深々と頭を下げる。


事情を聞くと、戦闘開始直後にヒーラー兼バッファーである陽子と雪が、

海底の砂に潜んでいたエイ型モンスターの毒針で真っ先に倒れたという。

回復手段を失ったことで戦況は一気に不利になり、あとはモンスターたちに運ばれるがままだった。


「……俺がもっと早く気づいていれば」

スカウトの羽田空が苦い表情でつぶやく。


しかし、水城が静かに首を振った。

「自然界でもエイは擬態の達人。しかも相手はSSランクダンジョン産よ。

どんな探査の達人でも、あの環境じゃ見逃すことはあるわ」


羽田は唇を噛み、やがて小さく頷いた。


真理は、今度は拓海に向き直る。

「今回の件で、私たちに足りないものが見えた。

次は状態異常耐性を身につける。SランクやAランクのダンジョンで鍛え直しだ」


その瞳に、敗北の悔しさと、それ以上の闘志が宿っている。


拓海は苦笑しながらも頷いた。

「その調子なら、世界記録もすぐに更新だな」


病室に、一瞬だけ笑いが広がる。

北海道の灰色の海は、彼らにとって試練となり、そして新たな目標を与えた。


――いつの日か、「暁」が世界最強の名を手にするとき、

今日のこの出来事も、きっとその礎になっているのだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。