第10話 農家、日本最強パーティを知る
「そういえば……行方不明になったパーティって、どんな人たちなんだ?」
階段の踊り場で息を整えながら、拓海は水城に尋ねた。
「パーティ名は《暁》。日本じゃ最強って言われてるチームよ」
水城は指折りながらメンバーを紹介する。
「リーダーは薙刀使いの暁 真理。
火炎系魔法使いの鳳 陽子。
氷雪系魔法使いの白瀬 雪。
それから、大盾使いのタンク岩城 堅固に、スカウトでクロスボウ使いの羽田 空」
「……やけにバランスいいな」
「そう。魔法使い二人はヒールもバフもデバフもこなせるから、穴がないの。
今回は水没ダンジョンの素材で作った新装備を試しつつ、世界初のSSランク攻略を狙ってたらしいわ」
「で、どこで行方不明に?」
「5層。世界最高記録もそこまで。だから5層に何かあるのかもしれないわね」
拓海は眉をひそめる。嫌な予感しかしない。
現在、俺たちは4層。
……いや、正直言うと、ここまで俺いらなくない?ってくらい楽勝だ。
レイカの召喚術が強すぎるのだ。
水の中から現れた巨大カジキが敵を串刺しにし、空中を泳ぐイルカが雷撃を撃ち込み、果ては人魚型の精霊が範囲回復までやってくれる。
いやもう、あんなのチートだろ。
――と、1番敵を瞬殺してる1番チートな俺が心の中でつぶやいた、その時だった。
「見つけたわ!」水城が声を上げる。
岩壁の向こうに、螺旋階段が口を開けていた。
下からは冷たい潮の匂いが漂ってくる。
俺たちは顔を見合わせ、無言で頷いた。
覚悟を決め、5層への階段を踏み下ろす――。




