第7話 農家、命名する
離れてくれない白い犬を連れ、とりあえずダンジョンを後にする拓海たち。
「……なぁ、これ、ほんとにモンスターなんだよな?」
拓海は腕にまとわりつく犬を見下ろしながら首を傾げる。
地上へ出ると、自衛隊員たちが一斉にざわついた。
「犬……?」「いや、あれ魔物だろ」「なんで尻尾振ってんだ?」
白い犬は拓海の足元でお座りし、どや顔で隊員たちを見回している。
基地に戻り、長万部司令に報告。
「なるほど……まぁいいんじゃないか!」
「軽っ!」と即座にツッコむ水城。
「いや、そういう訳にはいきません」
水城を筆頭に、複数の隊員が「ちゃんと調べてください!」と声を上げ、犬の検査が決定。
ついでに「お前も検査しとけ」と拓海まで巻き込まれる。
検査の結果――
拓海の体内にあった魔晶石は完全に消滅、健康状態も問題なし。
しかし、新たに「テイム」スキルが発現しており、犬は正式にテイム状態だと判明。
「つまり、コイツはお前の仲間ってことだな!」と長万部。
「仲間……いや、まだ名前もないし」
「じゃあ!」とレイカが手を挙げた。
「名前は『ベジ』にしよう!」
「ベジ?」
「だって、拓海の野菜が好きで、わざわざダンジョンから出てきたくらいなんだから!」
犬――いや、ベジは「ワン!」と元気に吠え、尻尾を振りまくる。
どうやら気に入ったようだ。
拓海はため息をつきつつ、頭をポンと撫でた。
「……今後よろしくな、ベジ」
その瞬間、ベジは拓海の頬をベロリと舐め、嬉しそうに飛び跳ねた。




