第5話 農家、採掘を命じられる
「じゃあーー、お前明日から採掘してきてくれ」
長万部はニヤリと笑いながらそう言った。
「半年前に攻略されたAランクダンジョンがそろそろ復活しそうでな。復活前に採れるだけ資源を採りたい。お前の転移スキルなら採掘ペースが段違いだろう?」
「……なるほど。確かに魔素も使わないとだし」
長万部はさらに付け加える。
「しかもその近くに、レイカと水城が修行してるCランクダンジョンがある」
「それだけ近けりゃ、何かトラブルがあってもすぐ助けに行けますね」
(便利というか、何というか……)
そして翌朝、Aランクダンジョンに突入。
拓海は採掘係たちの真横で素材をガンガン採らせ、採れたそばから地上の倉庫へ転移させる。
「……早すぎじゃね?!」
「ちょ、もう運ばれたのか!?」
「普通なら往復3時間コースだぞこれ!」
普段の輸送部隊が採掘に回れるため効率が爆上がりし、自衛隊員たちは驚きと感動で目を輝かせながらペースをさらに上げる。
だが数時間後――
「……ん?今、揺れたか?」
「いや、気のせいじゃないっす。床がビリビリしてます」
微振動が次第に強くなり、長万部から無線が入る。
『そろそろ復活の可能性がある、撤退だ!』
拓海は隊員たちを先に地上へ転移させ、自分は最後に素材を抱えて転移しようとした――その瞬間。
ズズゥゥゥン!!
大きな振動とともに視界がぐにゃりと歪む。
気づけば、目の前に――
「おっ、拓海じゃん!」と手を振るレイカと、
「……何でここにいるの?」と呆れる水城が立っていた。
「いや、こっちのセリフなんですけど」




