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第8話 農家、融合モンスターと戦う

水没ダンジョンの入口が崩れ落ち、そこから巨大な影が這い出してきた。

月明かりに照らされたその姿は、上半身が鱗と鋭いヒレを持つ魚人。

だが、腰から下は——束ねた竹の塊が蠢き、地面をずるりと這っている。


「……竹!? ということはまさか……」

水城が息を呑む。


「水城さん、何かわかったんですか?」拓海が問いかける。

「ええ、推測ではあるけど……状況的に考えられるのは一つ。竹山ダンジョンと融合したのよ」


「なんだって!」

拓海とレイカの声が揃う。


「でも、水没ダンジョンは火属性だったじゃないですか!」レイカが食い下がる。


拓海がハッと顔色を変える。

「……まさか……俺のせいか……」


水城が深刻な表情で言葉を続けた。

「推測でしかないけど、三度にわたる水没で、あのダンジョンが水を資源として取り込んだ可能性があるわ。

 そこに、魔晶石と爆破の影響、竹山ダンジョンの強制復活による魔素の活性化……。

 全てが重なって、足りない分の資源を竹山ダンジョンから吸収して復活したのかもしれない」


「……じゃあ、俺が水没させたせいで、本来出てこないはずのモンスターが……」

拓海の言葉に、水城は静かに頷く。


「それよりも——あの大きさ! 少なくても中ボスクラス、下手すればダンジョンボスよ!

 ただ、唯一の救いはSSSランクじゃないってこと」


「どういうことですか?」とレイカ。


「いくら資源を取り込んだと言っても、ほとんどは魔素を持たないただの水。

 失った魔晶石はAランク、吸収した竹山ダンジョンはCランク。

 総合しても、どんなに高くてもS〜SSランク止まりね。もちろん十分に脅威だけど」


「じゃあ勝てるってことだな!」拓海が口角を上げ、そのまま地面を蹴った。

スコップが唸りを上げ、怪物の胴体へと叩き込まれる——はずだった。


——ガキィィンッ!

竹でできた下半身がしなるように動き、刃のような硬さでスコップを受け止めた。


「なっ……バカな! さっきは効いたのに!」

拓海の混乱が夜気に響いた。



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