第6話 農家、伝説(仮)のスコップをお披露目する
再生し続ける巨体を前に、三人はじりじりと後退していた。
打撃は効かず、拓海の武器は折れ、レイカのゴーレムも押し負けている。
焦げた土の匂いと、竹のうねる音だけが耳に残る。
「……どうする?」
拓海の問いに、誰もすぐには答えられなかった。
そのとき、レイカが「あっ」と声を上げる。
「もう一本、あるじゃない」
「……もう一本?」
「ほら、この前見つけたやつ! 変な光沢のスコップ!」
水城がわずかに眉をひそめる。「得体は知れないけど……他に手はないわね」
拓海は荷物を漁り、あの黒光りするスコップを引き抜く。
手にした瞬間、金属とは思えぬ冷たさが掌を走った。
竹の巨人が再び腕を振り上げ、しなるように襲いかかる。
拓海は反射的にスコップで受け止めた。
——バシュッ!!
衝撃と共に竹の破片が周囲に散らばる。
だが、スコップは無傷。それどころか、巨人の腕は節ごと吹き飛び、切断面は黒く焦げていた。
「……炎熱攻撃?」拓海が呟く。
「こんな武器、見たことない……」水城も目を見開く。
「やっちゃえ、拓海!」レイカの声が響く。
そこからは拓海のターンだった。
全力でスコップを振るい、巨人の足を、腕を、次々と破壊していく。
竹の束は再生しようとするが、焦げ跡は広がり、再生の速度を奪っていく。
「これで——終わりだぁぁぁッ!」
拓海は跳び込み、巨人の胴体にスコップを深々と突き刺した。
同時に魔力を流し込むと、スコップの刃が真紅に燃え上がり、竹の巨躯を内側から焼き尽くす。
轟音と共に、巨人は断末魔を上げて崩れ落ち、黒い灰と化して消えた。
「……勝ったな」
誰もがそう思った、その瞬間だった。
——ゴゴゴゴゴ……
足元が揺れる。いや、階層全体が震えている。
「何が……起きてる?」拓海が振り返る。
水城は短く言い放った。「急いで外に出るわよ!」
拓海はうなずき、ダンジョン間転移のスキルを発動。
三人は光に包まれ、揺れ続ける竹山ダンジョンから姿を消した——。
勢いのみで書いているところがありますので、誤字などあれば遠慮なくお伝えいただくと助かります。




