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第10話 農家、無双する

轟音と共に吹き飛ばされた中ボスと召喚獣は、地面を数回転がった後、うめき声を上げながら立ち上がる。

その前に立つ拓海の気配は、もはや人間のそれではなかった。


「――終わらせる」


次の瞬間、拓海の姿が掻き消えた。

衝撃波だけが残り、巨体の首が宙を舞う。

中ボスは断末魔を上げる間もなく崩れ落ちた。


召喚獣は咆哮と共に飛びかかるが、拓海は軽く腕を払うだけで、その巨体を岩壁まで吹き飛ばす。

地面に叩きつけられた瞬間、周囲の魔力が一気に霧散し、召喚獣は塵のように消えた。


「……本当に、規格外ね」

呆然と呟く水城教官に、拓海はわずかに肩をすくめる。


「まだ終わりじゃない。この魔晶石の影響、ボス部屋まで広がってるかもしれない」

「……確かに。異常な魔力濃度を感じる」


二人は急ぎボス部屋へ向かった。

待ち構えていたのは、本来Eランクとは思えない威容を持ったダンジョンボス――

だが、拓海にとっては脅威ではなかった。


わずか数十秒。

鋭い蹴りで足場を崩し、懐に飛び込み、一撃で心臓を貫く。

光の粒子が散り、ボス部屋は静寂を取り戻す。


「よし、全員回収して帰還する」

拓海は倒れたままのレイカを抱き、水城たちを伴ってダンジョン内転移を発動。

景色が揺らぎ、次の瞬間には1層の入口付近にいた。


外へ出ると、まだ他の生徒たちは戻ってきていない。

当然、警備していた関係者たちの視線が一斉に集まり――


「お、おい……あれ、幽霊じゃないか……?」

「は? いや、でも確かに……」


突如現れた彼らに、現場は妙なざわつきに包まれた。

次回、訓練校編ラストです。

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