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第11話 農家、帰還する
入口付近の地面に足を踏み出した瞬間、拓海たちは全員、重く沈むような疲労感に包まれていた。
戦闘後の緊張が解け、汗は冷え、体の芯から力が抜けていく。
誰一人として言葉を発さず、そのまま警備の視線を受けながら通り過ぎる。
まるで影のように――あるいは、幽霊のように。
数分後。
入口から慌ただしく駆け出してくる一般覚醒者組の生徒たち。
肩で息をしながら、警備の一人に叫んだ。
「た、大変です! ダンジョンでトラブルが――!」
「Cランクの魔晶石を使ったモンスターが……!」
警備員たちは顔を見合わせる。
「あれ……さっき出てきた連中じゃねえのか?」
「え、でも……あの無言で通り過ぎた感じ……幽霊じゃ……?」
妙なざわめきが広がっていく。
そのころ、拓海たちは敷地の外れで腰を下ろしていた。
レイカはまだ眠っているが、呼吸は安定している。
水城教官も深く息を吐き、軽く目を閉じた。
拓海はそんな空気を切り裂くように立ち上がり、手をパンと打つ。
「よし、さあ戻って――稲刈りだ!」
「……はあ?」
疲労困憊の面々の間に、何とも言えない空気が流れた。
だが、拓海の顔は真剣そのもので、誰も突っ込む気力もなかった。
これで第二章終わりです。




