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勉強します1

やってきました図書室に。見渡す限り本、本、本です。膨大な数の本がそこにはありました。二階まで吹き抜けになっていて中央には天井から吊るされた棚まであります。どうやって取るんでしょう、あんな空中にある棚の本。


「そォれにしても陛下には困ったものねぇ」


そう、此処に来るまでにもひと悶着あったのだ。

昼時にアンジェリカの部屋まで昼食を食べに行ったソーリャヴィシィスと鈴は再び執務室に戻ってきた。もちろん鈴は一度も降ろされなかった。ウラルと鈴は図書室に行こうとしたらソーリャヴィシィスも付いていこうしたのだ。それをベイサスとウラルがすげなく断る。そんなことより仕事しろと山積みの書類を執務机にドンと置く。その山が三つある。あまり表情が動かないソーリャヴィシィスも顔が引き攣っているように見える。

そんなこんながあってさっきのウラルの言葉だ。お疲れ様です、と心の中で合掌する。


「気を取り直して、ここが図書室よぉ。見ての通り本の数が多ォいから読みたい本があったら司書に尋ねるといィわぁ」

「1階は歴史書や言語書、手記などが置いてあります。2階は魔法書や専門書が置いてあります。中央の浮いてる棚には機密文書が置いてありますので近づかないようにお願い致します。本を借りる際は此方のカウンターまでお越しください。また、この腕章をつけているのが司書の証ですのでお困りの際は室内の司書にいつでもお声掛けください」

「ありがとうございます」


カウンターに居た司書に説明を受ける。

ウラルはいくつか本を抜き取りながら歩いていく。迷いのない足取りだ。


「ウラルさんは本の場所を覚えているんですか?」

「ええ、そォよ。これぐらいはなんてことないわぁ」


何百、何千の本全ての場所を覚えている、と。すごい記憶力。

案内された場所は円テーブルがある小部屋。此処は会話していい場所で、周囲を気にせず集中したい時や大人数で調べ物をする時に利用されるそうです。


「まずは大陸について教えるわぁ。質問疑問があったら随時、言ってちょうだいねぇ」

「はい、よろしくお願いします」


テーブルの上に地図を広げる。


「これはフェイルズ大陸の地図よ。魔国はこの範囲で今いる城はここ。で、リンが召喚されたブリカーラ王国がここでこの魔の森を挟んだで隣国に位置するわ。そして獣王国、聖森、ケープ連邦、ガルギー帝国。ブリカーラ王国とケープ連邦はヒト族至上主義、獣王国は獣人族至上主義、ガルギー帝国はトップがヒトだけど獣人族も住んでいるわ。聖森は大聖樹を囲んだ森全域で森族が住まう森、魔国はどの種族でも等しく住める国よ。この魔の森は魔力濃度が濃くて強い魔物や変異種が沢山いるから入っちゃァダメよ」


フェイルズ大陸は左に倒した瓢箪みたいな形をしている。小さい丸みが魔国、くびれの部分に魔の森が広がっている。大きい丸みの中央にガルギー帝国、そこから北西に聖森、そこから右回りに獣王国、ケープ連邦、ブリカーラ王国だ。魔の森に接しているのは魔国とブリカーラ王国しかない。


「で、先日陛下がブリカーラ王国の王宮を崩壊させた。その時にリンを連れ帰ったそうよ。王宮が崩壊して国としての機能を失われたブリカーラ王国はガルギー帝国が吸収したわ」

「崩壊!?」

「あらぁ、聞いていなかったのぉ? 元々ブリカーラ王国は魔国に住む魔族の子供を誘拐したの。それに怒った陛下が報復しにブリカーラ王国に行って、王宮を壊した」


そんなことがあったんですね。じゃあ助けられたのはほんの偶然だった。


「私以外の異邦人が四人居ると思うんですがどうなったんですか?」

「聞きたァい? 本当ォに?」


フフフと怪しげな笑みを浮かべるウラルの表情に怖気づいた鈴はブンブンと首を横に振る。


「世の中には知らない方がいィこともあるのよぉ」


そう言ったウラルの顔は口には笑みの形を作っていたが目が笑っていなかった。それは一瞬の後にいつもの妖艶な笑みへと変わったので鈴が気付くことはなかった。

鈴は気を取り直して質問をぶつける。


「ブリカーラ王国はヒト族至上主義なのに吸収して大丈夫なんですか?」

「上のヒトがそうなだけだから問題はないわ。あの国は地理上、流通の要だから庶民の人たちは逆に魔国に対し有り難がっているいるわ」

「有り難る?」

「魔国は土地が広大かつ作物は実りやすい。つまりは生産量が高いの。その上、質も良い。これは農作に限った話ではないわよ。職人でも同じこと。自給自足どころか余所に回す分まで確実に確保出来ている。庶民にとっては安定した生活を送ることが第一だからね、感謝こそすれ恨む理由なんてないじゃない」


「貿易するにも魔の森はどうやって通るんですか?」

「正道と言われるートがあってそこを通るの。そこには魔物の侵入を防ぐ結界を張っているの。まぁそれでも危険だけれどね。騎士団が護衛について強行軍で突き進むわ」

「命懸け、なんですね」

「騎士団はそこまで柔ではないわよ。結界が張っているから殆どの魔物は弾かれるしね」


聞けば聞くほど魔国ってすごく発展した国なんだって思う。日本より良い国かも。

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