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断罪のいかずち

 騒然とする学内。教員が慌ただしく廊下を走る。

生徒が行方不明になったのだ。祠の中にあった天使の像もなくなってしまったらしい。

昨晩、生徒と見られる目撃情報があったが所在はつかめないままだった。

両親もお互いの家に泊まりに行ったと聞いていたというばかり。

同級生に聞いても交友関係は広くない生徒たちだったようだ。

家に不満があったに違いないと警察は事情聴取を形ばかり行い。

ただの家出だろうと捜査は行われなかった。

その後、数年間消息は知れないまま過ぎ。人々がそんな学生がいたことなど忘れ始めた矢先。

暗雲立ち込める日に事態は急変した。

むせ返るような濃密な雨の匂いがまとわりついた。

白い月が雲に隠れ、小雨はやがて街を海底にしようとするように長く降り続いた。

獣のうなり声に似た音が空から聞こえたかと思うと、いかずちが黒い夜を引き裂くように落ちる。

まるで天罰がくだったようだったと人々は口にした。祠に雷が落ちたのだ。

警察と消防が現場調査に赴くと祠は割れ、縦に引き裂けた天使の像が転がっていた。

雷に打たれ火事が発生していた。熱くて赤いゆらめきの中、煙が充満している。

炎から私をかばい外へと向かう気配。

ゆっくりとまぶたを上げるとマリエの満開の花束みたいな笑顔と目が合った。

私だけを特別に思ってくれる純白の天使がそこにいた。

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