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バグ職シーフは紙すら切れない。  作者: 藤原 智
魔王討伐

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十八話 重大会議

 今私達は、魔王城の一室に設けられている会議室に座っている。

 うさぎは、先程の部屋に置いてきた。

 魔王に、ずっと抱きしめられているから……。


 私、直哉、リンク、おじ様は、あの後にアンドゥル、レイヴィル、カルラ、ナキリに頼まれて、今後について話し合いたいと、この会議室に連れてこられた。


 しかし、


 ぷぷぷ……。

 魔王に見初められるうさぎ。

 お、面白い。

 これ言ったら、うさぎに怒られそう……。


「では、私ナキリが進行を務めさせていただきます。今回、我々は陛下が初めて執着を示された御方を迎える機会を得ました。ゆくゆくは王配として迎える可能性も考えねばなりません。皆様のご意見を」

「我等、陛下の御代だけでなく、次代にまで仕える栄誉を賜るとは」


 アンドゥルが恍惚な表情をしている。


「必ず、成功させねばならぬぞ」


 レイヴィルが、皆を見渡し強く言う。


「皆、うさぎ様のご機嫌を損ねてはならないですよ?」


 カルラがそう言うと、皆が頷く。


「あ、あのー、会議中、ごめんなさい、一ついいですか?」

「華菜様、どうぞ」

「女同士なんだけど……」

「言っている意味が分かりませんが?」

「え? 女同士でどうやるんだ?」


 直哉が口を挟んだ。


「たしかに」


 リンクが頷く。


「我等魔族と人間では、子を成す方法が違うのかもしれませんね。アンドゥル、カルラ、レイヴィル、人間の子を成す方法分かるか?」


 三人は、首を横に振った。

 そして、レイヴィルが提案した。


「これより、文献や参考資料を皆で調べる必要があるだろう」


 アンドゥルが、反対する。


「それも必要だが、ここに人間がいる。聞いた方が早いだろ?」


 カルラが賛成した。


「たしかにそうですね。華菜様、人間はどの様に子を宿すので?」

「へっ? いや、あの……」


 私に聞くなああ!


 真横に座っている直哉が私を見ると、不敵な笑みを作る。


「人間は、男と女がだな」


 バチーンッ!


 思いきしビンタする。


「それ以上言うな!!」

「いてえな! 本当の事だろ!」


 ナキリはその様子を見ると、ひとまず参考資料を集めることに決めた。

 そして私達以外は、会議室から出て行った。


 ナキリ達が出て行くと、会議室は急に静かになった。


 さっきまでの馬鹿みたいな熱気が嘘みたいに消えて、残されたのは、私達四人だけ。


「なあ? 俺はこんなのに付き合う気はないぞ?」


 リンクが、不機嫌そうに椅子の背にもたれた。

 でも、私は見ていた。

 魔王がうさぎを抱きしめた時。

 うさぎが泣きそうな顔をした時。

 誰よりも早く動こうとしたのは、リンクだった。


「ねえ、リンク」


 私は、少しだけ笑った。


「あんた、うさぎの事好きでしょ?」

「は? な、何言ってんだ……。お、俺は、皆の事、す、好きだけど」

「何言ってるの? 正直になったら?」

「だよな?」


 直哉が笑いながら言った。


「リンク、皆分かっていると思うぞ?」


 おじ様も分かっているみたいだ。


「うさぎ、とられちゃうよ?」

「お、俺はー」


 その頃、うさぎと魔王は、


「あのね、魔王様」

「イツキって呼んで抱きしめて!」

「イツキ様」

「イ ツ キ!」

「イツキ……あ、あのね。女の子同士だから」

「どういう事?」


 分からない……魔族の事がわからなああいい!!

 分かる人! 

 今すぐ私に説明しにこい!


「こ、子供欲しいの?」

「うさぎ様の子が欲しい」

「何で、そう思うの?」

「余の血、魂が言っておる。うさぎ様こそ、次代を託すにふさわしい御方だと」


 言っていることが理解出来ない。

 脳がハッキリと拒否している。


 イツキの体から黒い霧のような物が立ち昇った。


「命ずる。余を抱きしめよ」


 その時、会議室では。

 皆、本などを大量に持ち込んで、熱心に読んでいる。

 ページを捲る音が、会議室に響くだけ。


 何を勉強してるんだろう?

 

 そっと、アンドゥルが読んでいる本を見てみた。

 

 『結婚式の流れと披露宴の人気の演出」


 ブッーー!

 ククククク。

 お腹いたーーい!


 バンッ!

 バンッ!

 バンッ!


 机を叩いて笑う私を皆が見る。


「面白くなってきたああ!!」


 

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