表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!  作者: 山田みかん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

93/152

押し通す

『世が乱れる時 東の地より 白い獣を従えた 救済者があらわれり』


 どこぞの果ての地に古代文字で、この一文がどデカい石碑に刻まれている‥‥‥‥らしい。

 この世界に住むものが、誰でも一度は触れる、昔々の出自不明の伝承‥‥‥‥。

 

 一度は読むであろう『勇者の物語』も、何気にこの一文を意識して、物語を構成している部分があるな~なんて思いながら幼少期に絵本で読んだ。

 事の真偽は色々説が流れているが、過去の為政者もこの一文を利用して戦を仕掛けた歴史もある。

  

 今となっては本当かどうかも分からない、昔々の言い伝え。そんな事は解っているが、どうしても敏感になってしまうワードがある。


 ─────『東の国』。

 

 解ってはいるが、気になるのに違いない。何せ、『白い』フェンリルまで揃ってしまっているのでツーストライク。

 ─────ごめん、リオさん。

 この世界では、異世界転生テンプレワードは「あ、そうなんだ~」ではなく「え、うそ。ホントに!?マジで!?」になってしまいます。

 

「‥‥‥‥リオ様はまさか、神の使徒‥‥‥‥」


 ─────いやいや、待ちなさい。君達、勝手な推測は止めなさい。私がリオさんに締められるからっ! リオさんは異世界にチート転生したけれど『一般人』という設定でいくんだから!

 私だって「ちょっと、ムリじゃね?」とは思ってはいるが、「何も『お告げ』も『指示』も受けてないから。ほら、『一般人』でしょ?」と本人がのたまうのだからそれでいくしかない。


「サラ、憶測はいけないわ。たまたま偶然が揃っているのであって、東の島出身者にはごくありふれた事で、『魔獣』とも相性がいい民族かもしれないわ」


「‥‥‥‥そ、そうなんで、すか」


「そ、そうよ。ちょっと共通項があるだけで『伝承』にある『使徒』かもなんて言ったら本人にきっと笑われるわよっ!」


 押し通─────すっ!サラッとテロっと設定をゴリゴリ押し通─────すっ!

 

「そ、そうよ。フェンリルを連れている人だって、私達が知らないだけで、他にも結構いるかもよっ!」


 ─────いないと思います。


 その場にいる全員の意見が、そう一致したのだが。

 自分達の姫様が、あまりに必死になるので、皆無言で空気を読んだ。


「そうっすよね‥‥‥‥」

「‥‥‥‥だよな」

「‥‥‥‥そうですよね」


 一応そう返事をしたが、「そういう事にしておこう」と三人は目線で頷き合った。



『やぁっ~だぁ~!やっぱり「おかめ」のまんまじゃ~ん』


 突然、甲高い間延びした声が割って入り、三人はクリスティーナ姫を背後にかばう。

 中庭にそびえ立つ木の陰から、フードを深く被った人物が現れた。


『なによ~やっぱ解けてないじゃんか~心配して損したじゃな~い』


 甲高い声はフードの人物から発せられているわけではなく、その手に持つ透明な球体から発せられているようだ。


『そ・れ・にっ!もっと悲惨に寝込んでればいいのに、呑気にお茶ですって~ムカつくっ!!』


 陽があたる場所まで進み出てきた人物は、フード付きの長いローブに身長より長い杖。

 その杖の先にある特徴的な石により、相手が誰だか悟る。


「‥‥‥‥え、まさかジーク?」

「マジかよっ!」


『─────ちょっと、お仕置きが必要よねっ~やっちゃってよ!』


 球体からの叫びと同時に、炎の塊がこちらに向かってきた。


「─────まずいっ!」


 ドォォォ─────ン


 中庭に火柱が上がり、辺り一面が崩壊した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ