やっぱ無理
「違うだろっそうじゃない(小声)!」
わうわうと、犬語を交えながらシロ君から抗議が来る。そんな器用な事が出来たんだ。
「そこじゃないだろ。あのおっさん微かだが、なんか交じってるぞ」
ん~~自慢じゃないが自分は、シロ君ほど細やかじゃないんだよね。何かあると言われても、見えないし感じないんだよね。こういう時は『サーチ』でいいのかな。バレると後で色々面倒そうなので、シロ君に盾になってもらって「小っちゃくちゃんと表示しろよ」と念じておっさんに『サーチ』をかけてみる。
『名前はですね‥‥‥‥』
「それはいい」
『年齢は‥‥‥‥』
「どうでもいい」
小っちゃくと指定したからか、画面は小っちゃいが、知りたいところが出てこない。
─────何?私のレベルが低いの?松茸ちゃん探してた時は、サクサク機能してたよね?まあ、あの時は「舐めた真似すんなよ」とは言いましたが。
─────まさかこれが『サーチ』の標準仕様?
『‥‥‥‥えとですね、対象者。毛根死滅から十五年経ってます‥‥‥‥』
「‥‥‥‥そこじゃないらしいよ」
自分もさっき言われたから、そこは強く言えない。
『‥‥‥‥え~と対象者。左足を欠損しています』
「─────で?」
『‥‥‥‥傷口から体内に、少量の毒素が入り込んでます』
「毒素?菌みたいなもの?手当が不十分とか?」
『‥‥‥‥魔術に操られた魔獣により、故意に入れられてます。遅効性の性質を持ち対象者を死に至らします』
「魔術?故意?」
ちょっと変なワードが出てきたな。
『‥‥‥‥建物内に、毒素に、冒されている者、数名、確認』
なんか、ワードがカクカクしてきたな。バグか何かかな?
「どうかしましたか?何か分からない事でもありました?」
動かなくなった私を不思議に思ったのか、お姫さんが布をヒラヒラさせながらこちらにやってきた。
『‥‥‥‥魔術の系統、『アンへ・ファータ』教、と確認』
─────ほほう。アイツの仕業かな?まあ、アイツはゴミ箱に入れちゃったから、もういないんだけど
「リオさん?」
「─────んふふふ。ちょっと予定変更」
不気味に笑い出した私に、引き気味に立ち止まるお姫さん。
─────ブワっと風が渦巻きだした。同時にキラキラした物が一緒に飛び回る。
「─────え、ちょっと」
「あはははははは─────っ!私はピンクは我慢ならんのよねっ!大掃除よ大掃除っ!」
─────掃除は最後まで、がっつりやるよっ!




