表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!  作者: 山田みかん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/79

香りの暴力

 シロ君事、白陽は只今混乱の極みにいた。

 部屋に入ってきたのは、若い女性であろうことは、解る。

 声がそうであったし、匂いもここいらにいる男らのそれとは違う。それらから、女であろうことは解るが。


 ─────それ以外、さっぱり見えなかったのである。


 頭につばの広い被り物をし、その縁から長い布のようなものが膝辺りまで垂れ、それがぐるりとその人物をすっぽり覆っていたからである。

 莉緒がいれば、室内で帽子かぶるのが、ここの流儀なの?と突っ込むだろうが、いかんせん白陽には、人間の流儀など知る由もない。

 

「アル隊長。待ってるように言われたけど、我慢できなくて‥‥‥‥あら、真っ白なワンちゃん。かわいい」


 覆っている布から手だけが、突然にゅうんと出てくれば、さすがの白陽も後ろに引く。


「あ、姫様。触っちゃだめです」


 アルヴァスが、白陽を触ろうとする人物を慌てて止める。


「コイツ、今はこんななりをしてますが、本体はフェンリルです」


「フェンリルってあのフェンリル?」


 ─────どのフェンリルだよ。白陽はぷしっ、と鼻を鳴らした。


「アル隊長が、大きいワンちゃん飼い始めたかと思ったのに‥‥‥‥残念だわ。でもなんでここにいるの?」


「─────あ、シロ君はおやつを食べに来たんですよ」


 少年が干し肉が入った皿を取り出してみせた。


「わふっわふっ」


 少年が取り出したものを見て、白陽の尻尾が盛大に振れた。


「犬じゃねぇか‥‥‥‥」


「うぉんっ!!」


「ラング、フェンリルは賢いんですから、からかっては駄目ですよ」


「そうだぞ、こっちの言っていることが、分かってるらしいからな。姫様、色々報告もありますので、こちらにお座りください」


 白陽は、移動する人物を目で追っていた。動くたびにヒラヒラする布が気になって仕方がないが、とりあえずもらった干し肉とやらの方が興味が勝った。─────何これ旨い。



 その頃莉緒は、周りの人間に遠巻きにされながら、厨房で戦っていた。


「大丈夫だって言ってんじゃん~」


 目の前の大鍋には大量の油。

 温度はこんなもんかな~よしよし。さて、いこうか。


 食材を熱せられた大量の油に投下する、途端にジュワと音が鳴る。


「フンフンフン~」


 ご機嫌な私と、不審な目を向けるマールさんと厨房の人達。そんなに警戒しなくったっていいのに~。


 今私が作っているのは、ズバリ─────フライドポテトである。

 

 そうなんです、この世界にジャガイモが存在しましたよっ!。

 マールさんと食糧庫に入った時に、隅っこに積まれてたのは、まさしくジャガイモ。

 感激している自分の後ろで、マールさんが「それは廃棄処分するもの」というから、なぜだ─────と詰めよれば、自分達は普段これを扱っておらず、こちらに来て初めて見た物だという。試しに食べたら、腹を壊して大変だった。だから廃棄処分するんだ。と答えが返ってきた。

 ─────それって、芽を取ってなかったんじゃない?と聞けば首を傾げられた。


 ひそかに『鑑定』すれば、やっぱりジャガイモである。ただ、表記が『ジャ・ガ・イモン』と微妙な名前だったけど、『じゃがいもっす(ひそっ)』と追記された。


 となれば、途端に食べたくなる一番手がフライドポテトだったが、いくら大丈夫だといっても聞いてもらえない、ならば自分で作るという事になったのである。

  借りた調理場で仕込みにかかると、皆の不審の目が刺さる刺さる。


  だがそれも、次第に漂いだした香りに戸惑い出した。


「‥‥‥‥なんか、旨そうな匂い‥‥‥‥」

「‥‥‥‥俺、また腹下してもいいかも‥‥‥‥」

「‥‥‥‥美味しそう」


 遠巻きにしていた輪が、じりっと狭まってくる。

 そうだろう、そうだろう。美味しそうな匂いには逆らえないもんね~

 周りの警戒が、匂いと共に薄れだした頃。


 ─────フライドポテトの匂いがしますわっ!フライドポテトっ!どこですの!?

 フライドポテトはどこ!?─────


 ‥‥‥‥めっちゃ叫んでる女の子がいる。

 

 周囲の人達も、お互い顔を見合わす様子から、幻聴ではないらしい。


「‥‥‥‥姫様の声か?」

「まさか、姫様があんな叫ぶかよ」

「‥‥‥‥だよな」


 ─────ふ~ん、姫様ね。

 どうやら姫様とやらは、‥‥‥‥『お仲間』らしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ