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聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!  作者: 山田みかん


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38/82

おにがいる

 ─────さすがにそのままではマズイだろ。

 という事で、隊長自らハサミを取り出すと、まるで殺されるかのような態度で、大の大人がいやだいやだと、ギャン泣きだ。


「やめてくれぇっ!あんたら鬼だ!鬼なんだな!鬼だ鬼だっ!」


「そのままじゃ、マズいよ」 


「騎士団が不審者連れてると、思われるじゃないか」


「あきらめろ、ニルス。ちょっと、整えるだけじゃないか」


 周りの男達から、冷やかし交じりのヤジが飛ぶと、くるりと振り返り、指差しながら叫びまくる。


「─────ちょっとだと!?お前らだって他人事じゃないんだぞっ!朝起きたら、枕に付いた抜け毛を数える時が、もう近くに来てるんだか─────あっ‥‥‥‥」


 あまりに女々しい泣き事に、ついに副隊長の鉄槌が落ちた。


「さ、静かになりましたね。サクッといきましょう。隊長」


「‥‥‥‥お、おう。お前時々、容赦ないよな。あれ?眼鏡どうした。壊れた?」


「必要なくなりました」


 静かになったところで、元凶の人物が、雑用係の少年の背後から、ピコっとのぞく。


「元に戻してみる?今なら、夢を見てたと勘違いするかも?」


「「「‥‥‥‥‥‥‥‥」」」


 皆の沈黙の中、ニルスの髪には温情が下された。─────ちょっと心は動いたが。

 さすがに可哀想かなと、皆の意見が一致したのだ。─────目覚めたときに元通りになっていたら、それはそれで、うるさくなるだろう未来が見えたのも事実。


─────わふっ。


 白陽から、人間どもは何を騒いでいるんだと、あきれたため息が漏れた。

 きれいに髪カットされたニルスは、そのまま地面に転がされた。

 

「あれいいの?」


「大丈夫ですよ~適当な時に、誰かが回収しますから~」


─────ささ、コレ皆で食べましょう。雑用係の少年がそつなく動き回る。

 ミウの実は大評判だった。高級品という事を皆が知っているため、大事そうに味わっている。転がされた彼は、無視されていた。


「俺、うっすいスライスされたのしか、食べたことない」


「あれ、味しませんでしたね。─────さて、お嬢さん。ちょっとお伺いしたいんですが」


「それ俺の役目だよな?」


 どっちでもいいよ。そんなのどっちでもいいじゃん。と思っていたら、背後から第三者が割り込んでくる。


「そういや、あんた歳いくつだ?若く見えるが、結構いっ─────」


─────ドッ─────ゴッッ!!─────ズシャア‥‥‥‥‥‥‥‥


「私に質問?なにかしら?」


 にこおぉと、お上品に笑って見せたが、どうしたのかな?みんな顔色が悪いわよ?


─────あら、私が座っている『椅子』が気になるの?

 ちょと『お し お き』しただけですわよ?


─────くわっと白陽からあくびが漏れた。 

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