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聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!  作者: 山田みかん


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39/80

一般人

「すげぇ‥‥‥‥あのラングが一発でのされた‥‥‥‥」


「‥‥‥‥やっぱ只者じゃない」


「ラング椅子にされてるけど、‥‥‥‥嬉しいのかな」


「お前、何言ってんだ。逝ってるだけだろ」


 周りがなにやらざわつくが、構いやしない。─────無遠慮に年齢を聞く方が悪いのだ。 

─────そんな奴は鉄槌あるのみ。ふんっ。


 意識のないラングを椅子代わりにし、得体の知れない気配を漂わせた人物を前にして俺達は、声が出せなかった。

 そこへ背後から、スススと雑用係の少年が寄ってくる。


「お二方、女性に対して体のサイズ、年齢、容姿、もっともキレられるのが、体重です。これが一番の地雷ですからね。気を付けてください。聞いちゃだめですよ? あの様子だと、次に地雷を踏んだらラング様の上に積まれると思います」


 少年のヒソヒソ忠告に、ぴっと背筋を伸ばす。

‥‥‥‥俺‥‥‥‥積まれるのか‥‥‥‥。いやいやいや、そうじゃないだろ。


「─────んん゛っ。俺はこの隊の隊長でアルヴァレス。アルって呼んでくれ。こっちが副隊長のフリート。今椅子になってるのがラングだ。アンタには色々聞きたいことが山とあるんだが、取り敢えず─────何者だあんた?」


 何か少年とヒソヒソしてたけど、聞いてきたことは普通に自己紹介だった。

 普通に名前を訊ねられたので、自分はリオだと答えたが─────何者?


‥‥‥‥何者?なに?え~私は~ん?んん? んんん?


 ─────うんうん唸って、あ、と気付き手をポンと鳴らす。


「─────うん、普通の一般人!」


 そうそう。自分はそこら辺にいる、普通の一般人だ。─────うん、間違いない。


「「「「そんな一般人いねえよ─────!!!」」」」


 直後、周りからモーレツにブーイングを浴びました。─────あるぇ?




「お~シロ君。あれが砦の城だって。実用重視っぽくって渋いね~」


 今や目の前に、森から眺めていた建物が目前に見えてきた。

 遠目からでもやたらデカい建物だと思ってたら、砦の城だったのね。


─────ぷしっ。


 シロ君から、不機嫌な鼻息返事をいただきました。

 うん、解らないでもない。今だって、私達の背後には「姉さん、休憩いたしやすか!」「飲み物お持ちしやしょうか?」とウロウロウロウロ世話をしたがる騎士がいる。例の、髪生えちゃった君だ。

 はっきり言って、うざい。シロ君、─────やっちゃう?アイツやっちゃう?て目で見ないで。私だってさすがに空気読んでるんだから。大丈夫、大丈夫。もうすぐね、ほら来た。


「いい加減にしなさいっ!」 


 ─────はい来た、オカン。


 どこにでもいるんだね、オカン要員。副隊長って言ってたから、やっぱりオカン要員だね。今だって、耳引っ張りながら私達から引き離してくれた。─────ありがたや。



 昨夜の理不尽なブーイングの後、神経質そうな副隊長さんとやらに、根掘り葉掘り聞かれたが、要はどこに所属しているのか?という事が聞きたいらしかった。


 もちろん、異世界転生者なんて事は言えないが、というかこの世界に来てから、あの森以外自分は知らないからね。


 ギルド?入ってないし。魔導士?誰がそういうの認定してくれるの? 剣士?それは自己申告制なのかな?


─────という事で。やっぱり、自分は一般人じゃんっ!


「‥‥‥‥ぜってぇ違うだろ‥‥‥‥」


 なにやら下から、うめくような声がしたようですが、聞こえません。


 取りあえず、砦の城に来てくれないか、という事らしいが、え~どうしよっかな、なんか面倒ごとに巻き込まれそうな予感がするし、と考えていると。


「僕、このミウの実使って、甘いお菓子作ってみたいです!よかったら、試食とかしてもらっていいですか?」


「はい!喜んでぇ~」


─────即答でした。

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