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男の娘って何ですか?  作者: とらいぜん
4章 ミリニシア
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9 強襲

食事を終えたオルイド達は予定通りの道順を進み

買い出しの店へ向いながら先程の話し合いの事を思い出していた。


ミラエスとシェルシアそして転移魔法を使えるレアの3人が今回の作戦のカギとなる

もし自分達の準備が整って居ない内に敵に襲われ一人でも失えば失敗に終わる。

その為本来ならばその重要な役目を持つ2人が一緒に買い物等連れて来る訳には行かなかったが。

2人が何が何でも絶対行くと押し切られてしまった。


確かにあの話し合いの時は・・


「それでは2人には残って貰ってイズミ達に買い物をして来て貰いたい。」


シトラルのその言葉にいち早く反対したのがシェルシアだった。


「私絶対行く!イズミ約束したわよね。美味しい物食べさせてくれるって。」


「うん、そうだけど。今危険は冒せないから我慢して貰えないかな?」


「私も頑張りました!私は絶対行きます!ほら、だって精霊状態になれば怪我する事も無いし。」


そのミラエスの言葉に更にシェルシアの心に火が付いた。


「精霊状態?でも食べる時は人化するんでしょ、それに私だって

防御魔法には自信有るわよ。あのシフォンだってあの防御魔法絶賛して居たもの。」


シフォンの使って居る防御魔法『シールド』はマリスシアに教わった物だったが

それ自体は元女神で有れば誰でも使える物だった為の言葉だった。


「幾ら自信が有ってもそれを展開する前に襲われたら意味無いわよ。

貴女警戒心ゼロじゃない。」


「ミラエスだって人の事言えないじゃない。食べ物の事になると目の色変えて。」


「それはシェルシアだって!」


それを人は『団栗の背比べ』と呼ぶ。

結果シェルシア達はオルイド達と一緒に買い物&()()に来ていた。

そのオルイド達が買い物をしている時突爆発音が聞こえその方向を見ると

シトラルが居る筈の施設から噴煙が上がって居る事に気付き先頭を歩いて居たイズミが

全員を見渡すように振り向いた。


「私先に行く!」


イズミが慌てた様子でそのまま風の力で飛んで行ってしまった。


「俺達も行くぞ!」


オルイドがイズミに続いて走り出そうとしたその時

数名の男達がオルイド達の前に立ちはだかった。


「何だ!お前ら!そこをどけ!」


「残念ながらこれが俺達の役目なんでな、退く分けには行かんよ。」


オルイドが怒鳴るがその男は逆に不気味な笑いを浮かべると

その男の目が赤く光り頭には2本の角が現れた。

『魔族だと!人通りの有るこんな場所で襲って来るとは。』

人混みのこのような中で場所で襲って来るとは思いもして居なかった為

一瞬対応が遅れてしまった。


オルイドが剣を抜き構えると突然後ろの方から女性の叫び声が聞こえた。

振り向くとシェルシアが倒れて居るのが見えた。

『やられた!』

自分の前の他にも後ろにも魔族が剣を持ち更にシェルシアに剣を突き立てたその魔族は

満足そうにその死を確認するとその剣を側に居るセティアに向けた。

周りに居た人達は逃げ惑いその場で蹲る人も現れた。

中には人を呼びに行ったと思われる人も居たが

その者が戻ってくる頃には、全てが終わって居る。

それ程に彼らの行動は素早く

無駄な動きはせず只ひたすら自分達の命を狙って来る。

『マズイ。このままでは全員やられる』


オルイドは叫んだ。



「逃げろ!兎に角自分の命を守る事だけを考えろ!」


しかし既にセティアは襲い来る魔族と剣を交らわせ更にそこへ他の魔族が

攻撃魔法を放つのが見えたがもう声を掛ける暇も無い。

オルイドが助けに入る動きに入る前にセティアが魔法攻撃を真面に受けて倒れた。

その姿を見たカリナが飛び出すがその後ろからも魔族が襲い掛かろうとしている。


「止めろー!」


どんなに叫ぼうと彼等は止まる事無くカリナに襲い掛かる。


「アイスアロー」


攻撃魔法を放つオルイドだったがその攻撃をも避け

カリナに襲い掛かる魔族はそのままカリナに剣を突き立てた。

後ろから襲われたカリナは対応さえ出来ずそのまま倒れその動きを止めた。


オルイドの後ろを歩いて居たタルトに視線を向けると

襲い掛かる魔族と剣を交らせて居たが今にもその魔族に押し切られそうな体制に持って行かれそうだ。


「タルト!」


その言葉に反応したのはタルトばかりでなくその相手の魔族もオルイドの方を一瞬見た。

その隙を見てそこを抜け出すタルト。

しかしその直ぐ後ろからは達人に斬り掛かる魔族が追って来る。

もう少しでタルトの手が掴める。

そう思った瞬間自分の背に激痛が走る。

後ろから斬られた。

しかしオルイドの足は止まらない。

『タルトだけは守る。』

その思いがオルイドの足を動かした。

そして遂にタルトの手を掴み彼女に襲い掛かろうとして居た魔族の1人に片手で斬りつけ

もう一方の手でタルトを抱き抱えた。

その時オルイドを追って来ていた魔族に剣を背に突き立てられた。

思わず仰け反るオルイドの隙を見てタルトを追って居た魔族が

タルトの後ろから彼女の背に剣を突き立て彼女の腹部にまで達する傷を負わせた。

魔族がその剣を抜き取るとそのままタルトは力無くオルイドの腕の中で倒れ込んだ。


「あっあああ~~。そっそんな!」


オルイドはタルトを抱き抱えたまま力無くその場にしゃがみ込んでしまう。

それを狙ったかのように彼等を追って居た魔族が剣を持ち上げ上から突き刺そうとした時

ミラエスが精霊の力を使った。

地面からは太い蔓が伸びるとセティアやカリナの身体を包み込む様に巻き取り

オルイドと魔族との間に割り込みオルイドとタルトも一緒にそれはその蔓に包まれそのまま地面の下へ引き込まれて行ったがその間オルイドは自分の


そしてその力の行使者ミラエスも精霊状態に

なり魔族の前から姿を消した。


一瞬攻撃対象を失った魔族達は一時消えたその場を唖然と見て居たが直ぐに

気を取り直しその場から姿を消した。


その後ようやくやって来た衛兵達が見た物は黒く煤け又は地面が捲りあがり荒れた地面と

血塗られ死体無き現場、そして多数の目撃者だけだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

シトラルが居る施設跡では


「ああ、こちらへ向かって来るのも居るけどその他は終わったみたいだよ。

さあこれからどうする?フフ・・・」


一方シトラルの前に現れた悪魔エリアがシトラルを見下ろして居ると

突然後ろから怒鳴り声が聞こえて来た。


「テメエ!何してやがる!」


突然響き渡るその声の主をの方を振り返るとレアが転移魔法でフェスタを抱き抱え現れた所だった。

そのレアがフェスタを降ろすとそのまま駆け寄り悪魔の少女に殴りかかった。

悪魔の少女は一瞬驚いた様だったが直ぐに平静を取り戻しそれを躱すと魔法攻撃を仕掛


「ファイアースピア」


幾本もの炎の矢がレアに襲い掛かるもそれを土の壁で防ぐと

直ぐに飛び上がりその上から氷の矢を放った。


「アイスピア!」


それを身体を捻り躱す悪魔の少女だったが避けた先には

転移したレアが悪魔の少女を捕まえようと片手を伸ばし待ち受けていた。


「なっ!」


そしてレアに捕まる寸前


「転移」


次に彼女が現れたのが今迄勇者が寝ていたベッドが有ったその穴の開いた床の前だった。


「まさかこんな所で同胞に会うとは流石に驚いたよ。」


「何言ってやがる!てめえ何した!勇者はどうした?」


「何をしたって?見ての通りだよ。


ねえそれよりその邪魔な契約者の女はボクが殺してあげるからさあ

良かったらこっちに来ない?

此方はやりたい放題何でもできるんだ。

キミもきっと気に居ると思うよ。」


「フェスタを殺す?ふざけるな!そんな事はさせない!てめえは俺がぶっ殺す!」


「幾ら契約で裏切れないと云ってもちょっとのめり込み過ぎじゃない?相手はただの人族だよ。

もう少し落ち着いて考えれば判る事じゃ無いか。」


「はあ~?ただの人族?お前フェスタをただの人族だと!

こいつは女としての魅了は無いかも知れないが俺にとっては大事な女だ!裏切る等出来るか!」


「レア!ちょっと誰が女として魅力ないですって?」


「えっ?いっいやその・・すまん!言い過ぎた!」


フェスタが棍棒を床に力強く突いてレアに迫ると慌てたレアが悪魔の少女に怒鳴りつけた。


「ほら見ろお前が変な事言うから怒られたじゃ無いか!

例え女として魅了が無くてもそれはフェスタの前では禁句なんだ!

それを俺に言わせるなんて酷い奴だ!」


「いや、それはキミが勝手に言ったんだけど。それよりキミの名を教えてよ。

ボクはエリア、キミと同じ契約悪魔さ。」


「エリア?俺はレアだ!」


「うん。レアだね。これから又会うと思うからその時は宜しく。」


悪魔の少女エリアはシトラルに向き直ると先程と違い落ち着いた可愛らしい表情を

シトラルに見せて居た。


「竜人、今日はキミの良い顔も見られたし久し振りに同胞にも会えたから

これで引き上げる事にしたよ。

それじゃあ又会える日を楽しみにしてるよ。じゃあね。」

そしてエリアは手の平をひらひらと振りまるで友達と別れる様なにこやかな顔をみせて

転移魔法を使って消えて行った。


「ちょっとレア~~。」


レアが恐る恐る振り返るとそこには鬼の形相をしたフェスタが棍棒を片手に立って居た。

ファスタはレアに歩み寄ると棍棒を片手にもう一方の手でレアの片耳を引っ張り上げた。


「ちょっと隣の部屋でお話ししよっか~?」


「おっちょっちょっと待て!ちょっとあれは口が滑っただけで・・それに謝ったじゃ無いか!

なっフェスタでっイタタタ、引っ張らないでくれ~!」


そのままレアがフェスタに片耳を引っ張られ隣室へ消えて行くと

暫くしてその部屋からは大きな音がした後

静まり返りそこから出て来たスッキリした表情のフェスタの事を

誰かに言う勇気はシトラルには無かった。


そして間も無く現れたイズミがその事を聞き驚きを隠せないで居たが

更に最後のシトラルの言葉に背筋が寒くなる思いがした。


『オルイド達が襲われた』

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