2 オアニニスの兵士 コラボ
今回より
『異世界で最高の身体を手に入れたら魔女と呼ばれ勇者と戦う事になった』
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116~
又もや懲りずにコラボ始まります。
興味のある方は覗いて下さいませ。
「つ・い・に・・見つけた・・・」
イズミ達がキャミア達と合流したから5日目の朝
聞えて来たその声の主は、
現四鬼神の1人ジャグリス・ツークリアが放った隠蔽魔法と結界を得意とする魔族の一人だった。
その目の前の家の中に居たのは
朝食の用意をして居るイズミの友人カフェスとその母親ミンク・シャルドの親子と
キャミアとその母シャシス・マリガンスの4人、
そこには魔族の結界と隠蔽魔法を掛けてあったが
その魔族は隠蔽魔法を密かに破り今も結界を破ろうとして居る所だが
問題はその後ろに他国の鎧を着た兵士達が100人近く控えて居る事だった。
「お前達は俺がこの結界を解くと同時にあの4人を捕らえジャグリス様の所へ連れて行け。
但し怪我をさせても良いが殺すなよ。」
その言葉に静かに頷くだけの兵士達、その姿はまるで亡霊であるかの様に不気味に見えた。
そして間もなくその結界が破られた。
すると家の壁が魔法で破られカフェス親子とキャミア親子がその兵士達に襲われた。
その壁が破られた大きな音とカフェス達の叫び声に
キャミアの父親元魔王国四鬼人の一人ファシズ・マリガンス
その後ろにその部下数名とイズミ達が駆け付け目にしたのは
隣国のオアニニス王国の鎧を身に着けた兵士達に襲われているキャミア達の姿だった。
『人族を使って来たか。』
思わぬ兵士達の出現に驚きつつもファシズが部下に指示を出す。
「相手は操られた人族の兵士だ!殺すな!」
その言葉の返事の代わりに剣を鞘に戻し素手で対抗しようと部下達が兵士達に襲い掛かる。
イズミ達もその指示を聞き手加減を加えようとお互いに声を掛け合った。
「セティア、タルト、カリナ聞いた?」
「「「了解」」」
互いに息を合わせキャミア達を救いに走る。
イズミはこれから襲い掛かろうとして居た兵士達を爆風を作り出し吹き飛ばした。
カリナはカフェスに掴みかかって居る兵士に後ろから飛び蹴りを食らわし
セティアがその兵士を手刀で気絶させた。
タルトは、キャミアを連れ去ろうと手を掴んで居た兵士に
魔法で土の塊を出しそれをぶつけるとその兵士は一瞬キャミアの手を放した。
そこをすかさずタルトがキャミアを引き寄せ抱き抱えた。
「キャミア大丈夫?今直ぐにカフェス達も救い出すから。」
タルトがそう言って振り向くと既にそこには先程と違う兵士が剣先をタルトへ向けて高く持ち上げている姿が見えた。
その姿を見て思わず固まり動けなくなってしまったタルトにその兵士が剣を突き下ろした。
タルトが思わずキャミアをぎゅっと抱きしめて目を瞑り刺される覚悟をした時
何かが金属に当たる『キン』という甲高い音がしたと思うと続いて『バタン』というその男が倒れる音がした。
タルトがそっと目を開けるとそこにはイズミが心配そうな顔をタルトに向けていた。
「タルト大丈夫?兵士の数が凄く多いから油断しない様にね。」
「イズミ有難う。彼等キャミアとカフェスが狙い見たいだから何処かへ逃がさないと」
それを聞いてイズミがファシズの方を見ると既にカフェスと母親を救い出し
キャミアの母親の方を救い出そうとして居る所だった。
しかし兵士達はまだ多く残って居る為
油断すれば直ぐに巻き返されるだろう事は目に見えている。
しかも操られた他国の兵を殺す事が出来ない。
イズミ達は幾ら力が上である魔族側だとしても苦戦を強いられる事となった。
しかしその苦戦は突然終わる事となった。
100名ほど居た兵士達が突然引いたのだ。
「奴らは必ず又やって来る。その前にここを引き払うしかない。」
ファシズがそう言うと部下に指示を出し始めた。
「各地に散って居る者達へ伝令を走らせろ、今後司令所はニシアの森の中の第二へ移す。急げ」
その言葉に隠れ家に居た半数の魔族達が走り去って行った。
イズミはそれを見てファシズに第二までの道のりを
聞いた。
「ファシズさんここから第二までどの位離れて居るんですか?」
「それは、俺に着いて来てくれれば分かる。ただここよりは安全で有る事は保証する。
まあ随分と不便になるがな。」
そのファシズの指示により荷物を纏め移動する準備をする間も
周りの警戒を緩める事は無かったがシルクに周りの情報を集めさせようとすると
まるで靄がかかったかの様にハッキリした物が浮かんで来なかった。
シルクに言わせると
「まるで周りに居る全ての風の精霊が突然下級以下に戻ってしまった様に詳しい情報が入らないわ。」
つまり何かしらの力がが精霊の力を押さて居る様な状態らしい。
ファシズはそれが魔族特有の隠蔽魔法だと言うが精霊をも騙す事が出来る隠蔽魔法が有る事自体が驚きだった。
ただ問題は、隠蔽力に力を入れている為見付かると
他の結界や隠蔽魔法より解くのは簡単なところだそうだ。
移動はファシズを先頭に他の魔族が居ない事を確認しながらの移動となった。
たっだ先程の様な操られた人族はその範囲に入らない為常にイズミ達も警戒を怠る事が出来ない。
ニシアの森に入り3時間程立った頃突然縦長に並んで歩いていたイズミ達に
両脇から先程の兵士達に襲われた。
ガサッと音がした方向を見ると兵士達が剣を片手に襲い掛かって来るのが見えた
それに直ぐに反応したタルトは隣に居たキャミアを抱き抱え転げながらもその剣を避ける。
『兵士達は先程よりも攻撃的になって居る。』
そう思わずに居られない程に次々にイズミ達に襲い掛かって来た。
今回はキャミアやカフェス狙いと言うより全てが攻撃目標と思える様な攻撃の仕方だった。
イズミも応戦するも『殺してはいけない』その思いが強く
どうしても力加減も弱めになり相手に動けなくなる様な打撃を加えられない。
そんな中ファシズが周りをぐるりと見渡しながら
「近くに必ず術者が居る筈だ探し出せ!そいつさえ倒せばこいつらは正気に戻る。」
その一声に一斉に周りを探しだすが兵士からの攻撃をかわすながら探す事は用意では無かった。
先程倒れたキャミア達も剣と魔法を兼用しながら応戦してるが
余程の怪我を負わせない限り何度でも立ち上がって来る為苦戦して居るのが直ぐに分かった。
その時「キャッ!」と言う声に振り向くとタルトが何かに足を取られ倒れる所だった。
その脇には数人の兵士達が剣を振り上げ今にもタルトを斬りつけようとして居る。
イズミが思わず風の刃をその兵士に向けて放つが全てを倒し事が出来ずその中の一人が
タルトに斬りつけた。
「ザクッ」という肉を切る嫌な音がイズミの耳に届いた。
「タルト!」
イズミが急いで走り寄る間にも風の刃で兵士達を斬りつけたが次々に倒れたタルトの所へ
兵士が集まって来る。
「タルト。タルト。今行くから!」
思わず口の中で呟きながらタルトに走り寄りながら風の刃を放つが
幾ら風の刃で斬りつけても他の兵士の影になり軽症で済んだ兵士が更にタルトに斬りつける
そしてタルトが傷付けられるのが見えるとイズミのその声は叫びに変わった居た。
「タルト~~!」
イズミがタルトの側に駆け付けた時には周りに数十人もの兵士が倒れその中心に居たタルトは
倒れたまま身動き一つ出来ず息をするのも苦しそうにして居る。
「タルト待ってて、直ぐ治すから」
イズミは直ぐにタルトの周りに風の風壁を張りタルトに口づけをして治療に当たると
タルトの傷は徐々に塞がって来たが出血量が多かったせいか未だ苦しそうにして居る。
「シルク、タルトをお願い」
シルクにタルトの保護を頼むと兵士達に向かって歩き出した。
そしてそのイズミの顔には、今迄見せた事の無い様な怒りの表情が浮かんでいた。
「貴様等。よくも俺のタルトにこんな事を。思い知りやがれ!」
その言葉とほぼ同時に爆風を周りに居る兵士達に叩きつけた。
爆風に襲われた兵士達は飛ばされ周りの木々や他の兵士に叩きつけられ
中にはその隙間を通って上空数メートルまで巻き上げられる者まで居た。
しかしまだ多くの兵士達がイズミ達を襲う。
その兵士達にも更にイズミの爆風や風の刃が容赦なく襲った。
「イズミ落ち着け。彼らを殺してはダメだ!」
必死に訴えかけるファシズだったがその声はイズミには届いてい無かった。
容赦なく荒れ狂う爆風に森の木々は倒れ兵士達は吹き飛ばされて行くが
飛ばされた兵士の中で動ける者は又イズミに襲い掛かって来る。
それを繰り返しながらまだ無傷で残って居る兵士達を追い掛ける様に爆風を放ちながらイズミは先へ先へと歩いて行った。




