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花盗人  作者: 楠ゆう
2章 流星の燈

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5、飛騨夜。1-6

 「でも説破詰めすぎても身体持たなくなるよ、壊れちゃったら後戻り出来ないからね」


 「分かってる、分かってる。安全第一、自分が大事やんね」

 「分かってるならそれでいい」


 ニコニコしている、僕を見るよりも教科書を見た方がいいだろなんて思う。なんの意味もないだろ、髪もボサボサで不恰好な姿の僕なんか見てもどうにもならない、ニヤニヤしてる雪の視線に耐えきれず僕は「何?」と聞いた。


 「いいや〜。私がいなくなったら悲しいんだなーって香は私が大切なんだねー、撫でてあげよっか〜」


 「ふざけても成績は上がんないよ」

 「チェっ、ケチ」


 鼻で息を吐きながらに考える。言ってみよう。


 「じゃあ。撫でて」

 「お!!珍しくノリノリだ!やったー!」


 雪は肘に置いていた教科書を地面に置き、僕の後ろへと移動した。そして細い手で僕のボサボサな髪をわしゃわしゃした。僕は抵抗はせず、されるがままに遊ばれる。


 三十秒ほど遊ばれてから雪は僕の頭から手を離した。僕がどうなっているのかと自分の腕で髪の現状を確認する。


 あーあ。鏡がないものでどのようになっているかわからないけど、この感じは。おそらくだけど、ブロッコリーが一番近いだろうか、盛大に撫でまくったなーと少々後悔したが雪の笑顔を見たらそんなんどうでも良くなってしまった。


 「ネー。櫛とか使って髪解かさないの?すごいモジャモジャだよ、香の髪。今度やってあげようか」


 意外な申し出だ。やってもらいたい気持ちも反面に。僕は一度、自身で髪を解いた事がある。それはもう、歪な髪をしてた、どう表現するのが正解なんだろう、絶望的なまでに似合わなかった。これならもじゃったままの方がいいなって思うほどだった。はっきり言う。あれはかなりのブスだった。やっぱり髪って結構印象的に重要なんだなって。


 「残念ながら櫛程度じゃあ僕の髪には勝てないよ、」

 「勝負してみるかい、女子の本気ってやつを」


 自信満々に胸を張っていた言い方だ、相当自信がお有りなんだろう。


 「試してみるかい?」

 「おお!いい度胸だ、櫛と諸々、何ならメイクだってしてやるよ」

 「メイクはいいや」


 雪は良い終えるや否や僕はいいやとつっ返す。似合わないことは確実なのに、メイク道具だって消耗品なんだ、勿体無いよ。


 「なんで!」

 「なんでと言われましても、」


 「私案外器用なんだよ!?、絶対可愛くなるって」


 可愛くって。僕が可愛くなるところなんて想像できないし、したくないよ。絶望的なまでに驚愕のゲテモノが出来上がってしまう。


 「可愛くはなりたくないよ、どうせならカッコ良くなりたい、可愛いは女の子で十分で、僕には必要ないよ、絶対ないよ」


 「いいや!私の目には狂いはない、絶対に!。香は可愛くなれる!なんなら女子よりも可愛くなれる!」

 「一回女子に怒られた方がいいよそれは」


 あぁぁぁ、、。と我儘にがなりの効いた声で喚いている。スーパーで欲しいものを強請っている時の幼な子のように。年上なんだよな、一応。


 「ほら、馬鹿してないでしないと内申響いちゃうよ」

 「馬鹿〜。、」


 ふふっ。

 

 「あ!、今笑った!。私のこと笑ったな!貴様!」

 「そう言われても。面白いもんは面白いもんしょうがないじゃん」


 「さぁ、今笑ったことについて説明してもらおうか。香くんよ、さぁ。私のどこを笑ったのかな?」


 笑顔だが目が笑ってない、追い詰めモードになってしまった。完全に獲物を見る目に変わってしまい僕はそれに苦笑いする。


 「顔怖いよ」

 「誰のせいかな」


 ニコニコして怖い顔、矛盾しているようで、総和性がかなり高い。


 十分ほどの時間が経過し。教室に戻る準備を始める。以前はギリギリまで離していたが離しすぎて遅刻したことがあったので、その後から少し戻る時間を早くしたのだ。


 結論から言うと、ほとんど遊んでいたので勉強どころではなくなってしまい二人で遊びただ駄弁ってしまった。帰ったら復習しておかないと。


 僕は片付け教科書とシャーペンを持ちながら雪に言う。


 「結局ほどんど勉強してないじゃん」

 「え、それな。なんで教科書持ってきたんだろ」


 「雪が暴れるからでしょ、」


 「そんな怪物みたいな言い方しないでよー、楽しくなっちゃったんだもんしょうがないよ」


 まぁ悪いのは雪だけじゃない、最終的に僕も楽しくなって暴れ出してしまったので収集が付かなくなって二人揃って大笑い。あれだけ笑っていたら、近所にバレていそうだ。反省でもしておこう。


 最近、雪のおかげで悪知恵を多く蓄えてしまった。お陰で悪事の誤魔化し方とかを学んで知ってしまいその活かし方とかをたまに探してしまう。意外に腹黒いんだ。みんなそうだけど。勿論僕もそうだ。


 昼休みになるとこの公民館の裏に集まる。学校の外、つまりはそう言うことだ。おもちゃであろうとお菓子であろうと持ち込み放題。


 だから僕らは各々、食べ物だったり飲み物をつまむために色々持ってきている。冬ならチョコだって持ってこれるしアイスだって持ってこれる。寒い時にアイスは食べたくないけれども。そんなんどうだっていい。早く戻ろう。また遅刻してみんなに変な目で見られるなんてたまったもんじゃない。


 「じゃあ、戻ろっか」

 「そうだね〜」


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― 新着の感想 ―
ふふふいちゃいちゃしてますねーかわいらしいです 良いんですよ勉強なんて放ったらかして、今が大事ですから、やりたいことやりましょー! 
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