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花盗人  作者: 楠ゆう
2章 流星の燈

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5、飛騨夜。1-2

 「雪。ありがとう、」

 「ん?びっくりするよ、突然どした」


 僕は地面の草を撫でながら雪の頭にそっと僕の頭の重さを預ける。


 重たいかな。どうだろ。わかんないや。あったかい。


 「僕と会ってくれて、僕と話してくれて、温もりをくれて。笑顔をくれた。本当に。本当に。すごく感謝してる、きっと、雪がいなかったらどうにかなっていたかもしれない。今こうして花火を見れることも、あの綺麗な夜景も見れなかったかもしれない。楽しい。そう、心から思ってる


心配事とか、嫌なこととか。まだ残ってる。けど、それでもいいほどにこの時間が楽しい。」


 迷っている、数ヶ月間ずっと。気持ちを伝えるか否かを。


 「好き」その言葉が何を意味しているかはっきりと分かっている。付き合ってほしい、ずっと一緒にいたい。これからもずっと一緒に人生を歩んで欲しい。全部を共有して同じ身の丈で同じ世界で暮らしたい。大人になって成人になって、おじいちゃんになっても。僕は雪といたい。


 だからこそ。だからこそ………。


 迷っているし、だからこそ言いたい。後悔はしたくない。でも、その言葉を言い放った時。もし雪が離れて居なくなったら。それこそ後悔でしかない。なかったことになって終いたくない。酔っているんだ。恋をしている自分に。果てしないほどに今を楽しんでいるぼくに。


 なんで迷っているんだろ。


 「私だって、お互い様だよ。最近、本当に生きてるんだなって感じるし、生きてたいって頑張れるようになったんだよ。香と会って、すっごい、、楽しいんだ。ただ義務感で行っていた学校も行く理由ができて行くのが苦じゃないの。


 あの日、学校忍び込んでさ色々話してくれて。私のこと信用してくれているんだなーって、信じてくれてるんだって思えてさ。心の支えに成れてるんだって。だからこちらこそありがとうだし。うん。感謝してる」


 「ハハっ」って出したことない笑い声が込み上げてきた。強張っている身体から溢れた声が。


 そんなこと。そんなこと、僕には烏滸がましいったらありゃしない。出来損ないの僕には、明るすぎる、眩しすぎるよ。嬉し過ぎるよ。


こんな、そんな。言って貰えるなんて思わなくって。頬が熱く、耳も熱い。恥ずかしい?………。違う。


 感謝してんだ。


 僕はバレないよう涙を流して腕でそれを拭う。


 「風、涼しいね」

 「そうだね」


 「なんか変な空気」


 肩を上げながら雪はそっと笑みを垂らす。リラックスしている、眠たくなってきてしまう。すっかり周りは暗くなって僕らの周辺にいる人たちは黒い塊にしか見えない。街灯が少ないんだ。


 「そうだね」

 「それしか、言わなくなっちゃった」

 

 「ねぇ、香。私だって。本当に。あんただけじゃないよ、ちゃんと分かってる。私もそう。

 

 好きだよ。香」


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― 新着の感想 ―
ふああああえ? あえ? え?  もうはい大人しく次の読みますね 毎日毎日お疲れ様です
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