第二十二話『暗闇』
『一旦終了。次からは本格的に自己満足へと』
『それでは本編へどうぞ』
このゲームを開始し……そして、これをする為に……
「何が目的だ?」
俺が聞く。いや、聞くまでもないが……確認をするべきだと感じた……
そうしなきゃ……
全てを破壊出来ない……
「目的……?。決まってるじゃないですか。世界支配……はつまらない
だから、これを利用した人間……人類の覚醒ですよ。これがあれば……死すらも無い永遠に生きる人間が生まれるのですから」
……
「それを聞いて決まった」
一気に走り出し剣を構える。それと同時にリチャードの前に剣が突き刺さり
「話を聞くまで動くんでは無いですよ」
その瞬間に無数の連撃が飛んできて全てを弾き落とせずに喰らってしまう
能力すら発動出来ない……いや、彼女か……
「なら!」
その向かってくる剣を弾いて、蹴りで彼女に向かって飛ばし返した
が、リチャードがそれを阻止して
「全く……傷つけはさせないよ」
そう言って目の前まで向かってきて、何をされたか分からない。気が付けば……壁に打ち付けられ、お腹から血が滲み、腕が引きちぎれていて
「全く……本当に神話相手にするの面倒ですから……全ての力を消させてもらいましたよ」
スライムが解けていき、変幻すら消えて元に……起き上がろうにも……力が出ずに……
「クソが……」
リチャードは不敵な笑みを浮かべ
「もうじき崩壊します。が、君は厄介になりそう。だから……」
足で体を壁に打ち付けられ剣を突き刺される。視界がぼやけて
「君はこの崩壊と共に死ぬのですから。神話のラスボスなので……このゲームの人間も全て死にます」
目を見開いた。死ぬ?
彼女が保護したはず……何故だ……
「無論……既に終わったのですよ」
俺は剣を引き抜いてリチャードに向かって攻撃を仕掛けるが、リチャードに躱され、血飛沫が舞い倒れ込む
そのまま体に剣が再び突き刺さり抉られ蹴りで扉側まで弾き飛ばされる
「さて、行くとしよう……じゃあね。神話さん」
そう言ってログアウトしていくのが目に入る。俺は赤く染まる視界でゆっくりと起き上がり引きずりながら歩く
姉を……
「クソが……」
体が上手く動かずにその場で倒れてしまう。何としてでも……
「おい!。聞いてるんだろ!」
俺が叫ぶが声だけが響く
「おい!
おい!
おい!
……おい……
頼む……
姉だ……でも……」
声が出なくなりその場で倒れ込む
「全く……姉弟揃って我儘ね」
見上げると彼女が立っていて
「頼む……
俺は……良い……から……姉……だけ……でも……」
視界がひび割れる。限界が近い……それに……
「分かった。その代わりに……」
俺はそれを聞いて
「何でも……良い……頼む……」
そう伝えると彼女は頷き消えていった
俺は少しだけ微笑み……
「……さっさと……殺すべきだった……な……」
視界が黒く染まり……意識が黒くなり途切れた
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VRゴーグルを取ると時間は数時間しか経ってなく……慌てて弟の部屋へと向かうがVRゴーグルを着けたまま起き上がらない弟……
座り込み
「ねぇ……起きてよ……起きて……起きて!」
私が叫ぶが反応が無い……
ゲームにログインしようにもログイン不可になり起動すら出来なくなっていた
運営に問い合わせしようにも……
そしてテレビが勝手に着いて……そこには……
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ゆっくりと目を開けると髪が顔に掛かり、少女の顔……見覚えがある……あるんじゃない……ずっと不満しか出ない奴……
「傲慢だよ……お前は……」
そう言うと
「あら?。救ってあげたのにその態度?」
……
「なぁ、どうなった?」
俺が聞くと
「崩壊した。残ったの、君だけ。あっ、それともう一つ。私が君に力を貸さなかったのではない
貸せなかった。何せ……解毒してあげていたから。まぁ、全員とは行かなくとも現時点では生きてるから安心して」
はは……お前はそっちかよ……
「まぁ、代償に君はゲームの世界に囚われ楔を打ち抜かれ二度と起きれなくなったけど……」
それで救えたのなら安いもんか……
「あー、それと……追えとかうるさそうだから……彼……リチャードが元々居たゲームに逃げたから……これで良いかしら?」
全く……
「完璧だな……憎いほどに
それで……何時なら動ける?。と言うよりか体壊れてるんだから何時治る?」
彼女に優しく撫でられ
「じゃ、捧げてくれる?」
マジか……まぁ、どうせ姉を救う為に命を差し出したしな……リチャードを殺す為ならやむ無しか……
「じゃ、寝る」
それだけ答えて目を瞑った
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あのゲーム以降なのか……VRゲームが厳しくなり……簡単に出来なくなった
と言うのも……情報を元に厳しい制限と共にゲームの運営による監視が強化。ゲーム稼働も時間制限となり簡単に遊べなくる
VRよりも昔のゲームが流行り……VRゲーム人工が少なってしまった
「頑張ってくるね」
ゲームにログインし続ける弟のお見舞いをしてから出た
ただ、一つだけ許さたゲームが……『Legend・of・the・Arthur』だった
ログインしたくとも……上の指示でゲームが出来ない……理由も分かる。分かるから……守るのも分かる……
それでも……
「駄目な姉だ……」
私はそう誰にも聞こえない声で呟いた
『グダグダと続きます』
『それでは今回はここまで。次の話まで……またね!』




