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【漫画連載決定】Reason for tears  作者:
past and future
37/50

37話 同じ宿命を背負う者


車を走らせること、1時間近く経った頃ドーム状の建物が見えてきた。


「着いたぞ。ここが我々の基地だ。」


入り口に案内された『tears』は中に入った。


「グラウンドでは戦えない人、部隊メンバー、その家族などが住んでいる。」


「思った以上に普通の暮らしをしているんだな。これだけ占拠していても普段通り外には住めないのか?」


「やはり幹部がいたのもあって安全ではない。『ネクサス』がいるから大丈夫と踏んだ者たちはドームの外でいつも通り暮らすことを決めたがその後、我々が偵察に行ったときには襲撃され壊滅状態だった。」


「そうか。こんな状況ではいつも通りの暮らしっていうのはやはり望めないか。」


「戦争が終わるまでは安全な場所など1つもない。さぁこっちだ。」


ティナたちは会議室のような空間に招き入れられた。


「まずは礼を言わせてもらおう。ティナ、君のおかげで大阪を完全に占拠することができた。後は国に無理矢理戦わせられていた民兵を開放するだけだ。」


「本当に死ぬかと思った。今思えばあの人数…それに幹部と1人で戦わせるなんてね。」


「君ならできると思ったからさ。さてティナの仲間たちにも話したらどうだ?」


「そうだ。ティナ俺たちにも何があったのか話してくれ。」


「うん。わかった。」


ティナはセイジと別れた後からの話をした。


「まとめるとそこにいるマナカという女に出会い、波白ツカサと会うためには国の基地を破壊するという条件でティナは1人で潜入したということか。それも能力を使わないという条件を付けて。」


「ええ。でも本当の条件は幹部と戦う中で私の力を目覚めさせることが目的だった。そうよね?」


「ああ。その解釈であってる。さっきも言ったが本当に俺が知っている星咲ティナなら出来ないはずがないと踏んでの決断だ。」


「なんで私の事をそんなに知っているのか聞かせてもらえる?」


「ああ。だが話す前に2つ質問をしたい。」


「わかった。」


「まず、君の先祖が【星咲セナ】ということは既に知っているか?」


「ええ。知っている。っていうよりは最近知った。」


「【リベラティオ】の存在は?」


「それも知っている。けど何故あなたがそれを?」


「そうか。単刀直入に言う。【星咲セナ】には双子の子供がいた。1人目の子供が俺の親父だ。そしてもう片方がティナとミナの父親【星咲シンヤ】だ。」


「え…?ってことはあなたの名前は…。」


「【星咲ツカサ】だ。」


「マジかよ…!ってことは…いとこってことか?!」


「ああ。そうなるな。」


「それでお父さんは?」


「…。」


「おいどうしたんだ?急に黙って。」


「死んだ。…というよりは殺された。」


「殺されたって…誰にだ…?」


「【星咲シンヤ】。ティナとミナの父親だ。」


「…!なんだって…?兄弟を殺したというのか?」


「親父は官邸に単身で乗り込んだ。その時に手をかけたのが星咲シンヤというのはその後、本人から知った。」


「知ったって…お父さんに会ったの?」


「ああ。丁度、国の計画が実行される1日前のことだった。俺は普通の日常生活を送っていた。」


-計画が実行される1日前。


ツカサはいつも通り大学からの帰宅途中だった。


背後から男の声がした。


「ちょっといいか?」


「え?俺ですか?」


「君が星咲ツカサ君だな?」


「そうですけど…。あなたは?」


「星咲シンヤ。君のお父さんの弟だ。」


「親父の…?それならもしかして親父の居場所って知っていますか?ずっと家に帰ってきていないんです。」


「死んだよ。」


「死んだ…?嘘ですよね…?」


「嘘ではない。何故なら俺が殺したからだ。」


「え…?急に何言ってんですか?意味が分からないですよ。そんなこと信じられるわけ…。」


「君のお父さんが官邸に乗り込んできた。俺のやろうとしていた事を止めに来たあいつは力づくで計画を阻止しようとした。だから始末した。」


「理解できない…。計画ってあなたは一体なにを企んでいたんですか?まさか親父が言っていたリベラティオって石と何か関係が…?」


「リベラティオの存在を知っているのか。まぁいい。もしその時がきたら俺の娘2人と一緒に俺の元へ来ればいい。辿り着けるほどの力を身に付けてな。それまでは生かしといてやる。」


「待て!答えになっていない!なんで親父を殺す必要があった?!力ってどういうことだ!それにその時って…これからなにが起こるっていうんだ?!」


「官邸で待っているぞ…。」


そう一言残すと星咲シンヤを名乗る男は走り去った。追いかけたがすぐに見失った。


「そして1週間後、戦争が勃発した。」


「その後、俺は仲間たちを集め『ネクサス』という組織を結成して戦った。その中でいろいろな情報を得た。力(能力)のこと、過去が見えるという能力を持った『星咲ティナ』が国から狙われていることも。偶然か俺の苗字と一緒だった。2人の娘という言葉を思い出した俺はその1人がこのティナだと思った。更に突如現れた『tears』という国と戦っている連中の存在。そこのリーダーの名前も『星咲ティナ』。間違いなくあの星咲シンヤの娘だとこの時確信した。それにミナ。この2人が姉妹であることも、ミナが国側にいたことも後に調べてわかった。」


「これが君を知っていた理由だ。顔やらどんな人間なのかまでは知らなかったが、相当強いということだけはわかっていた。」


「そういうことだったんだね。でもお父さんに関してはそれが本当にお父さんだったのかはまだ信じてられない。」


「どういうことだ?」


「これを読めばわかる。お父さんの手紙。」


ティナは父親の手紙をツカサに手渡した。


「これは…。」


セイジが口を開いた。


「須藤が絡んでいる以上、ティナの父親の意思だけで始末したとは考えにくいだろう。奴が何かしらの小細工をしたに違いない。」


「須藤というのは誰なんだ?」


「須藤って言うのは国のトップの名前。この戦争を始めたのもこいつなんだ。」


「そしてこれに須藤とリベラティオの秘密が載っている。」


ティナはツカサにカズヨシのレポートを手渡した。


「…。そうか。俺が親父から聞いた話と大体一致している。それにこの須藤と五十嵐という幹部は現代にいるやつと同一人物ということか。」


「うん。須藤はリベラティオを持ったまま五十嵐と一緒に現代にきたんだ。」


「この須藤がツカサのお父さんを殺した可能性だってある。もしお父さんが本当にやったんだとしたらそれはもうお父さんではないのは確か。」


「…。手紙に書いてある心を壊すことが出来るやつの存在…。こいつの仕業か…。まだまだ知らないことが多すぎたようだ。」


「そういえばティナの過去が見える能力は使えないのか?それで真実はわからないのか?」


「出来るならとっくにやってる。急に見えなくなったんだ。戦争が起こってすぐに。」


「そうだったのか。すまなかった。これもリベラティオの影響か…。」


「聞きたいんだけどリベラティオの存在はお父さんから聞いたの?」


「親父がいなくなった日この紙が机に置かれていた。それで俺はこの石の存在を知ったんだ。」


ティナは古い紙を手に取って見た。


「一緒だ。形もすべて。間違いなくリベラティオ。」


「ということはツカサのお父さんも過去のことについて詳しかったということか。」


「詳しかったかどうかはわからないが、少なからずリベラティオの存在は知っていたのだろう。」


「私たちが知ったのもつい最近。須藤の事もリベラティオの事も。」


「このレポートと手紙を読んで俺も考えを改めなくてはいけないような気がする。あれが本当にティナのお父さんだったのかわからなくなった。実際に俺はティナのお父さんの顔も知らない。わかっているのが星崎シンヤってだけだ。その名前を名乗った誰かの可能性だってある。これは直接確かめてみるまではなんとも言えなくなってきた。」


「うん。ちゃんとこの目で確かめるまでは信じたくはない。もし本当にお父さん本人だったとしたら…その時はやるだけ。実の父親であったとしても。」


「…。まずは官邸に行って真実を確かめなくてはな。」


「うん。それに五十嵐との決着もついていない。他の幹部もすべて倒さないと。」


「前までの君なら間違いなくこの東京に辿り着く前にやられていただろう。マナカから聞いたと思うが、幹部クラスはさっきのやつと同等かそれ以上。あれを倒せないようではこれから先、勝ち目はない。」


「ティナ、そんなにすごい力を手に入れたのか?」


「あの五十嵐と戦ったときにティナを近くで見ていたあなたならわかるんじゃない?レン。あれをモノにしたんだ。ティナは。」


「確かにあれをモノにしたというのなら十分勝ち目はあるかもしれない。」


「それでツカサ、『tears』と『ネクサス』の交渉の話だけど。」


「もちろんOKだ。断る理由がない。共に戦おう。」


「ありがとう。」


「それと俺からも『ネクサス』に話がある。」


リクが前に出た。


「君は…さっき一緒にいた者だな。」


「俺は正式には『tears』ではないが、『tears』のために戦うことを誓った『フェニックス』のリクだ。」


「『フェニックス』…。そうか。噂には聞いていたがリーダーは無事なのか?確か…ジュリと言ったな。」


「ああ。今は愛知の拠点にいる。それで『ネクサス』は俺たちと同様に『tears』のために戦うのか?それとも『ネクサス』として戦うのか?」


「ふむ。要するに君たち『フェニックス』のように『ネクサス』も『tears』として忠誠を誓い戦ってくれということか?」


「物分かりがいいな。そのとおりだ。」


「それなら別に『tears』としてではなくとも、このまま統一戦線でいいのではないか?」


「まぁそれはそうだが…。」


「リクそれで問題ない。別に『tears』に引き込むために交渉をしにきたわけではないんだ。一緒に戦ってくれるだけでいい。」


「ティナがそう言うのなら俺はこれ以上言うことはない。すまなかった。」


(何故それほどまでに『tears』としてにこだわる?…まさかな。)


「ああ。それでは『tears』と『ネクサス』は今から同じ目的を持った仲間として共に戦おう。」


「うん。よろしく。」


「ティナ。お互い思うところはあるかもしれないが、まずは国の体制を崩すのが先のようだ。そして須藤に会い真実を確かめる。」


「ええ。だからこそ少しでも早く奴のいる所に辿り着かなければならない。自体がこれ以上大きくなる前に。」


「それじゃあ今後については明日話し合おう。今日は基地で休んでいってくれ。」


「わかった。」


「ティナとミナ。君たち2人はちょっと残ってくれ。」


「俺たちは先に寝所へ行ってるから話してくるといい。」


「…わかった。じゃあみんな先に行ってて。」


「ああ、また後でな。」


ティナとミナ以外は寝所へ向かった。


「それで話って?」


「大勢の前だ。あまり身内話ってのもあれだと思って控えていたが、少なからず俺たちは同じ血が流れている。リベラティオの力もな。」


「…確かにそうだね。私も正直驚いている。」


「君たちの存在を今までまったく知らなかった。まるで隠されていたように。」


「それを言うなら記憶を消されたって言い方が正しいかも。私たちの先祖以外は。」


「ふむ。だが、不可解なのは何故記憶を消す必要があるのかということだな。」


「須藤がリベラティオと一緒に消えたと同時に星咲セナとタカシ以外の記憶が消えたと書かれていたでしょ?五十嵐はどうかわからないけど須藤はほとんどの記憶を持って現代に来ている。だから私は須藤によるものだと思っている。私が星咲セナの子孫ということも知っていたから脅威を感じ命を狙ったんだ。」


「少なからず星咲の血を引くものはみんな狙われている。それに関わる者たちも。」


「なんとしても星咲の血を消したいわけだな。先祖の記憶が消えなかったのは星咲セナ、またはタカシの能力によって維持された可能性も考えられる。」


「どれが真実かわからないけど、どっちにしても先祖は私たちに託した。だからここでなんとしても私たちの世代で須藤を食い止めなくてはいけない。これだけはハッキリしている。」


「ああ。俺も先祖の意思を引き継ぎ全力で戦おう。だが現状、須藤の手にリベラティオがあるのが難点だがな。」


「まだどんな力を秘めているのかもわからない。これ以上取り返しがつかなくなる前になんとかしないといけない。」


「明日その点についても話し合おう。みんなで意見を出し合えば答えは導き出せるはずだ。引き止めて悪かったな。」


「うん。それじゃあ休むよ。」


「ああ。ゆっくり休んでくれ。また明日。」


ティナとミナは外へでた。


「どう思う?ミナ。」


「ツカサのこと?」


「うん。」


「私はツカサの力(能力)が気になるかな。ティナの力を見ても特別驚いてる様子はなかった。つまりティナ以上に強いからできる反応。」


「私より強い…。悔しいとかそういうのは抜きにして、もしそれが本当なら心強くて良いことだと思う。」


「でも逆に私は大分遅れをとったなって思った。」


「ミナ…。」


「もっと強くならなきゃいけない。能力ばかりに頼り過ぎていたのは私も一緒。私だって先祖から託されたこの力で幹部と対等に戦えるようになりたい。」


「…。」


「ティナ…お願いがあるの。」


「え…?お願い?」


「私と戦って。」


「ミナと戦う…?どうしたの急に。」


「私も、もっと力がほしい…。ティナと同じぐらい強くなりたい。」


「…。」


「お願い。」


「わかった。でも全力ではやるつもりはない。」


「やるからには全力じゃないとダメ。」


「え?」


「幹部と戦ってるティナを見て思った。あそこまでの覚悟をもって戦わないと何1つ成長出来ないって。だからあの時と同じように戦ってほしい。」


「本当に全力でやったらどうなるかわからないよ。」


「望むところだ。私を五十嵐だと思って本気で来て。」


「わかった…。」


「あんな戦いを見せられたらなんだか体が熱くなってきちゃって。」


「ううん。私もだよ。ミナ。私も…まだあの感覚が残っている。」


「やろうティナ。」


「うん。じゃあ外に出よう。」


ティナとミナはドームを出て行った。


それを見ていた人物が2人いた。


ツカサとヒマリだった。


「止めなくていいのか?仲間だろ?」


「あれ?バレてた?うん。いいの。ミナちゃんが頼れるのはやっぱりティナちゃんしかいないから。それにあの2人は止めても聞かないし。」


「そうか。だが、あれぐらいの気持ちじゃないと幹部には勝てない。もしミナまでティナと同じぐらい強くなれたら状況は大きく変わるだろう。」


「随分、幹部について詳しいのね。」


「ティナが戦った五十嵐には俺もやられたんだ。」


「…。」


「まだ俺が『ネクサス』を結成して間もない頃、奴が単身で俺の前に現れた。奴は自分の力を俺に見せつけるだけ見せつけ、命だけは奪わずその場から消え去った。とんでもなく強かった。何もできなかった。そんなやつをティナは追い込んだと知ったとき可能性を感じた。奴を倒せるのはティナしかいないってな。」


「そうだったんだ。やっぱり相当強いんだね。」


「ああ。想像を絶するほどにな。」


「だけどあなたにも星咲セナさんの血が流れている。だったらティナちゃんのようになれるはず。」


「ティナのようにか。君は俺がティナより劣っていると思っているのかな?」


「見てないからわからないけど同じくらいかそれ以下?」


「はは。少なくとも君たち『tears』のメンバーよりは強いと思ってくれていいよ。」


「ふーん。そうですか。それで、ティナちゃんとミナちゃんの戦いを見に行くの?」


「ああ。万が一戦えない程の怪我をされたら今後の戦いに響く。それは避けないといけないからな。だから最悪の場合は嫌でも止める。」


「じゃあ私も行こっかな。2人が傷ついたときは私が治すって決めてるから。」


「仲間思いのいい子だ。それじゃあ行くか。」


「ええ。」


ティナとミナは河原に来ていた。


「ここなら思う存分戦えるね。」


「そうだね。」


「…。」


「ミナ。本当にいいんだよね?」


「私は自分の限界を超えて生まれ変わりたい。だから本気でぶつかって来て。」


「うん。絶対手は抜かないから安心して…。」


「手を抜いたらティナでも許さないから。…殺す気で来て。」


「わかった。」


2人の周りにオーラが溢れ出た。


ツカサとヒマリも追いつき見ていた。


『あんな2人の顔初めてみた…。』


『本気でやるつもりか。どっちから仕掛ける…?』


「いくよ。ティナ。」


「来い。ミナ!」


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