表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人との繋がりを信じた旅人  作者: ペンぎんさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/16

嘘と約束

と約束


俺は夕日が差し込む教室で、ある人を待っていた。


「来たね、睦月。今回はどうしたの?」


そう声をかけると、睦月は怯えた表情のまま駆け寄ってきた。


「夏くん、助けて!! 私、私……!」


肩を掴まれ、俺は慌てて睦月を落ち着かせる。


「とりあえず落ち着こう? ほら、座って」


そう言って席に座らせ、話を聞くことにした。


「それで、何があったの?」


睦月は震える声で話し始めた。


「あのね……私、おじさんに追われてるの。前に捕まりそうになって……」


その言葉に俺は眉をひそめる。


「そのこと、両親は知ってるの? 先生は?」


すると睦月は首を横に振った。


「怖くて言えない……先生にも言わないでほしいの」


そう言うと、俺の方を真っ直ぐ見つめる。


「だから私を守ってほしいの! このことを頼めるのは夏くんしかいないの! お願いします!」


深々と頭を下げる睦月。


俺は戸惑った。


「そう言われても……」


すると睦月は悲しそうな顔をして立ち上がる。


「だよね……ごめんね」


その姿を見て、俺は思わず呼び止めていた。


「待って!」


睦月が振り返る。


「やるよ。睦月は俺が守るから!」


そう言って指切りをすると、睦月はようやく笑顔を見せた。


「ありがとう、夏くん♪」


「うん! 頑張るよ、俺!」


その日から俺は睦月と一緒に帰るようになった。


そして四日後――。


放課後、睦月と帰ろうとした時だった。


「最近、睦月と帰るようになったけどどうしたの?」


響が不思議そうに聞いてくる。


俺は少しだけ目を逸らした。


「ん? ただ最近話が合うから帰ってるんだ」


睦月との約束。


誰にも言えない秘密。


だから俺は――初めて響に嘘をついた。


「そんじゃまたな!」


手を振り、睦月の元へ向かう。


その背中を見ながら、響は小さく呟いた。


「最近のなーちゃん変なの」


そしてふと思い出したように続ける。


「てかアカリも最近学校に来てないし……心配だな~」


そう言って響も帰っていった。


帰り道。


俺は前から気になっていたことを睦月に聞いた。


「なあ、睦月。本当にそのおっさんは居たのか?」


すると睦月の表情が一瞬で変わる。


「な、何でそう思うの?」


「だって、そのおっさん三日間見てないし」


そう答えた瞬間だった。


「何で信じてくれないの!!」


睦月が突然叫ぶ。


「夏くんは信じてくれるんじゃないの?! ねえ! 何で!!」


そう言いながら俺に掴みかかってきた。


「ちょ!? どうしたんだよ睦月!」


その時だった。


睦月の背後に大きな手が近付いてくるのが見えた。


俺の顔から血の気が引く。


体が勝手に動いていた。


「睦月危ない!!」


睦月を突き飛ばし、代わりに俺が捕まる。


「がはっ!」


首を掴まれ、強く締め上げられる。


目の前には小太りの男が立っていた。


男は嫌な笑みを浮かべながら言う。


「ガキが……余計なことしてんじゃねーよ」


首を締める力がさらに強くなる。


「ぐっ……! む、睦月……逃げ……」


そこで俺の意識は途切れた。


――そして。


気が付くと、俺は病院のベッドの上にいた。


「ここは……」


ゆっくり目を開く。


そして視線の先にいた人物を見て、俺は息を呑んだ。


そこにいたのは――警察だった。


第六話 終

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ