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30話 ~セルフ・イントロダクション~ お風呂で自己紹介、あるいはおっぱいがいっぱい


「もう! 何なの……これ?」


 何なんだろうね?

 僕にもさっぱり意味が分からないよ……






「えっ?! フィル君も一緒なの?」


「リーダーなんだから、当たり前だろ」


 当たり前ではない。

 と思うのだが、ゾーイにそんな常識は通用しない。


「お飾りだろうが、形式上だろうがリーダーはリーダー、フィルも一緒だ。昨日もみんなで入ったぞ」


 形式的なリーダーのフィルです。よろしくね! 

 って、もう少し違う言い方は無いのかな?


「仲間全員で風呂に入る。これがこのパーティーのルールだ」


 そう、形式的なリーダーでさえ抗えないルールなのだ。

 決めたのは副リーダーのゾーイだけど。 


「何をやっているのだ? さっさと入るぞ」

「入るのニャ!」


 ロッティとニケがもたもたしている僕たちを見かねてやってきた。

 すっぽんぽんで……


「いや、エマが恥ずかしがってるんだ」

 

「恥ずかしい? 女ばかりだ、気にすることはなかろう」

「そうなのニャ」


 男も一人いるんですけどね。


「え、いや、でも……フィル君がいる――」

「ごちゃごちゃ言ってないで、入るぞ!」

「えっ?! ちょっと、何を――」


 エマは全裸のロッティに担がれて風呂と連行されていった。

 ご愁傷様です。


「さて、オレたちも行くぞ」


 ……ですよね。






 右もおっぱい、左もおっぱい、視界は全ておっぱい、である。

 正確には、右に超乳、左に魔乳、目の前は美乳に巨乳に豊乳、そして爆乳だ。

 洗い場にはいつも通り、無乳と貧乳、微乳がいる。

 そして……


「フィル君、後ろ見ないでね」


 後ろには普乳のエマがいる。


「さぁて……せっかくだから、改めてリーダーの前で自己紹介といくか」


 えーっと、ゾーイさん?

 いったい何を言い出すのですか?


「よし! わらわが最初じゃ!!」


 ロッティが名乗りを上げる……誰か、止めてぇ!!


 僕の思いは誰にも通じず、素っ裸の自己紹介が始まった。

 僕の真ん前で……


「ロッティじゃ。改めて、明日からよろしくな、フィル」


 裸で仁王立ちはやめてくれないかな。

 無乳つるぺたから何もかもが丸見えだし。


「次はおいら……リエルだよ。よろしく」


 貧乳だけどすらっとしてスタイルはいい。

 やや引きこもりだけど。


「次ボク、ニケなのニャ! 頑張るのニャー!」


 頑張るのはいいけど……

 なぜお尻を向けて尻尾を振るのだろう?

 

「では私の番かな? ヴァニラだ。フィルの呪いを解くために、全力を尽くすぞ」


 大き過ぎず、かといって小さくはない、まさに美しいおっぱいを晒して言う台詞じゃないよね。

 でも、呪いは解いてください、よろしくお願いします。

 

「クレオよ、よろしくね♪ リーダーちゃん」


 店じゃないんだから、豊乳をぷるぷるさせて踊らなくてもいいから。

 いや、店でも全裸じゃ踊らないか。


「アリスです。改めてよろしくお願いします、ご主人様」


 服は着てなくても、頭のホワイトブリムは外さないんだ。

 外したらメイドじゃなくてただの巨乳だしね。


「グレモリーよん! よろしくフィルちゃん♪」


「メルなの。頑張るね主人マスター


 グレモリーとメルはなぜか二人で登場だ。

 どうでもいいけど、二人で人外レベルのおっぱいを持ち上げてポーズをとるのはやめてね。 

 人外レベルって言うか、人外だけどね。


「よし、オレの出番だな! ゾーイだ。もうすぐ呪いを解いてやるぜ、フィル!!」


 最初のロッティに負けず劣らずの仁王立ち。

 しかも誇らしげに胸を張って、爆乳を強調してる気がするけど、気のせいかな?


「最後は、エマだぞ」


 ゾーイは僕の後ろに隠れているエマに声を掛けた。




「何なのよ……これ?」


 何なんだろうね?

 何なのと言われても、僕にが決めたわけではない。

 僕にも何の為に必要なのか、さっぱりわからないね。


「何なのと言われてもな。自己紹介だろ?」


 ゾーイの言う通り、ただの自己紹介だ。

 しかし場所は風呂の中、そして全裸で、だけど……


「いいから早くするのじゃ!」


 業を煮やしたロッティが、湯船に入ってきてエマを担ぎ出す。

 全裸が全裸を……


「え、あぁああ!”#$%&――」


 ロッティの怪力パワーにエマが抗えるはずもなく、僕の真ん前に普通の普乳がさらけ出された。


「ううぅ……エマです。よろしく……フィル君」


 隠してはいけないルールは無いはずだけど、エマはなぜか全てを露わにして自己紹介をした。

 たぶん、みんなが隠していなかったからだと思うけど。


「……もうだめ、恥ずかしいっ!」


 エマはそのまま僕の後ろへ逃げてきた。



「もう! 何なの……これ?」


 何なんだろうね?

 僕にもさっぱり意味が分からないよ。


 それより自己紹介が終わったんだから、風呂から上がってもよかったんじゃないかな?

 知らないけど……


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