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二千年のルミシャ  作者: 河野広明
第二章
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第四十四話 閉じた庭

ネルフィ

庭の底にこぼれた時間がある。 あの子を戻せるもの。

ありかはわかった。

あとは行くだけ。

 

行けなかった。

 

何度ためしても、庭はわたしを入れてくれない。

わたしのために開く場所じゃなかった。

 

ずいぶん調べて、やっとわかったの。

あそこに入れるのはいちど出てきた人だけ。

でも、出てきた人なんていない。 ルミシャはまだ中にいるから。

 

ねえ、ルミシャ。

わたし、ばかだ。 こんな簡単なこと、なんで今ごろ。

ずっと迎えに行くって書いてきたのに。

行けないのかも。

 

ううん。

ちがう。

ルミシャが自分で出てきたら。 そのとき、ぜんぶ渡せるようにしておけばいい。

困らないように、書いておくの。 ぜんぶ。

そしたら、あの子が自分で底まで行ける。

 

うん。 だいじょうぶ。

だいじょうぶ、だよね。

 

誕生日に丘へのぼった。

『ルミシャ、誕生日おめでとう。 まだ、迎えに行く方法が見つからない。 会えるかな。』

 

会えるかな。

ね。

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