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第四十三話 冷たい枝
ルミシャ
それから、いくつも読んだ。 ひとつ上がるたびに一年。
おめでとう。 おめでとう。 おめでとう。
声に出して、ぜんぶ。 ティユラに聞かせながら。
ある一枚で、手が止まった。
『ルミシャ、誕生日おめでとう。 まだ、迎えに行く方法が見つからない。 会えるかな。』
最後まで、読めなかった。
あんなに迎えに行くって書いてたのに。
枝に額をつけた。
冷たかった。
しばらく、そうしていた。
二千年、なんともなかった。
腹が減らなくても。 眠れなくても。 ひとりでも。
なんともなかったのに。
下で、ティユラが動いた。
すぐ上まで登ってきて、何も言わずに、あたしの背に手を置いた。
ちいさく咳をしながら。
その手はあたたかかった。
風が吹いた。
紙がいっせいに鳴った。
それでも、まだ上に続いていた。
おめでとうは、まだ終わらない。




