第26話
私たちは修練場からギルドに戻ってきた。
「あ、おかえりなさい」
「ただいまです」
レクターさんたちが待っててくれたようだ。
「評価はどうだった?」
「こいつらのことだAランクぐらいなんて余裕だろ」
皆は私たちを高く評価している。
「まったくだぜ。こいつらはSランクだ」
「きっとすぐにSSSランクになるでしょう」
私たちがいきなりのSランク、そして大層な評価をされ、まわりの冒険者はざわめきだす。
「うわ、化け物かよ」
「SSSランクのやつらは大半が化け物だろ」
「そんな評価される人間って……」
魔族領から出たことないレイにはわからないだろう。
かくゆう、私もだが。
「さて、二つ名はどうしましょうか」
「ちっ」
レイが舌打ちした。
二つ名なんてこのままなくていいよ。
きっと中二くさい恥ずかしいやつだろうな。
「よし、レイのは貴公子を入れよう!」
「いいですね!」
「おい! おまえ遊んでるだろ!」
「うん」
レイをいじるの楽しいだもん。
「潔いな」
「でも、貴公子ってレイに合ってるよな」
「では、冷徹の貴公子にしましょう」
冷徹の貴公子、感情に左右されず、冷静に物事を見通すことができる風采が優れた人か、レイそのままだね。
「イエーイ パチパチパチパチ」
「決まりな」
「いいじゃないか、レイ」
「はぁ、じゃあクレハは台風あたりだな」
「なんで!」
「おまえといると何かしら巻き込まれる」
「えー、私はおもしろおかしく人生を送ろうとしてるだけですー」
「だ・か・ら・だ!」
「ふふ、そうねぇ」
「クレハって戦闘狂でもあるよな」
「そうだな」
「それね、戦い方を教えてくれた人が弱冠戦闘狂でさ、移っちゃったんだよね」
「移ったのかよ!」
「ぜひ、その人の名前を教えてほしいな」
「それはちょっと」
「なんでだ」
「昔ですし、歳もいってるので、今どこにいるかわからないですり」
ヤバい! 魔神エデルなんていえない!
「だが」
「その本人は知られたくないから出てこないかもしれない。相手のことも考えろ」
レイ、ありがとうー。
「そうだな。すまない、クレハ」
「いえ」
「話を戻すけど、台風姫なんてどう?」
「いや、クレハは台風の目ではないか?」
「それもな」
私は台風決定ですか!
「もう、台風姫でいいだろ」
「なんか嫌!」
「よし、決まったな」
「決まってない!」
レイは冷徹の貴公子、私は台風姫という二つ名が決まった。
不本意だけど、ものすごく不快だけど。




