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閑話 頑張れゴンラ君!!(ツー)

本編ではあまり出てこないゴンラ君、

裏側でこんなことしていました。

 増えるダンジョンの住人たちのゴンラ君の様子


 おらとスラりん先輩が気持ち良く昼寝していたら突然足に激痛が走り、おらはあわてて飛び起きました。

 激痛が走る足を見ると、そこには緑と紫の光沢を放つ鱗を持つ蛇ポイズンスネークがおらの足に噛みついてました。


 「な、なんで!?」


 さっきまでここにこんな魔獣はいなかったはずなのに…。

 突然襲われたショックと痛みで混乱したおらは、その場から動くことができませんでした。


 本来なら襲われたら急いで逃げないといけないのに……。


 そして動けないおらの頭上から新たに数匹の蛇が落ちてきます。


 「ホッピングスネーク!」


 ホッピングスネークは口を大きく開けておらに襲いかかってきます。


 「痛い!痛いです!!」


 おらの体に噛みついてくるホッピングスネークを何とか振りほどこうと手を振りまわしますが、ホッピングスネークはおらの腕の隙間を巧みにすり抜け次々に噛みついてきます。


 ここにいたら駄目だ。


 ようやくおらは気付き、急いでこの場から離れようとした瞬間おらの体に液体がかかります。

 だが逃げようとしていたおらにはそんなこと気になりません。

 実際にほんの少し液体がかかったくらいでは問題じゃなかったからです。


 でも、体にかかった液体がかなりの量になった頃、おらの手足が急に痺れだしました。


 その時になってようやくおらはこの液体が危険なものだと認識したのです。

 液体が飛んでくる方に目をやればそこには気にへばりついているウットカゲの姿がありました。

 そして、ポイズンスネークの毒と、ウットカゲの麻痺毒のせいでおらはその場に倒れ込んでしまいました。


 (まさかダンジョンで襲われるなんて……)


 主様が造ったダンジョンでこんなことになるなんて考えてもみませんでした。

 地面に倒れたおらはどんどん近付いてくる蛇達の姿を見て絶望に襲われます。


 (おらここで食べられちゃんだな~)


 大きく口を開けて噛みつこうとする蛇を見て、思わず目をつぶってしまいました。


 ですがいつまでたっても体に牙が突き刺さりません。

 不思議に思い目をゆっくりと開けると、そこにはおらを襲おうとしていた一体のポイズンスネークを下敷きにしたスラりん先輩の姿がありました。


 「スラりん先輩!!!」


 おらはその姿を見て倒れた姿のまま叫びました。


 その声に反応してスラりん先輩が伸び縮みします。

 (多分もう大丈夫って感じでうなずいたのでしょう。

 …………体が丸いからうなずいたのかどうか分かりませんが)


 そしてゆっくりと丸い体が動きます。

 (多分おらに背中を見せて蛇達と相対しているのでしょう。

 …………体が丸いのでどっちが正面で、どっちが背中か分かりませんが)


 それからスラりん先輩はその場で軽やかに弾み出します。

 (多分「かかってこい」的な挑発行為なのでしょう。

 …………おらにはただ弾んでるだけにしか見えませんが)



 おらにはわからなかったのですが、蛇達には通じたようで、蛇達やウットカゲは一斉に鳴くとスラりん先輩めがけて襲っていきます。

 それをスラりん先輩は見事にいなしていく。


 ポイズンスネークが牙をむいて襲ってくる。

 軽やかに弾んで回避する。


 ザック!


 ウットカゲが唾液を飛ばしてくる。

 ペシャンコになって回避する。


 ペッシャ!


 ホッピングスネークが飛び跳ねて襲ってくる。

 同じように飛び跳ねる。


 パッチン!


 その変幻自在な体を使い、見事に避ける。




 すごい!すごいですスラりん先輩!!

 でも、スラりん先輩が避けた攻撃が全部おらに当たってます。

 痛いです。かなり痛いです!!


 頑張って守ろうとしてくれた気持は伝わったんですがやっぱり無理があったのです。






 その後駆けつけてくれた主殿に回復してもらいました。

 何だが主様と会うときいつもおら怪我してる気がするんですが、気のせいでしょうか?


 傷が治った後、おらはおらのことを守ろうと頑張ってくれたスラりん先輩を抱きしめて感謝の言葉を言いました。

 スラりん先輩は「気にするな」って言う風におらの腕の中でプルプルと振るえます。

 言葉は無いけど、その姿におらは漢を感じ取りました。

 (スライムに性別は無いですけど)


 これからはスラりん先輩を見習って、おらも頑張っていきますよ!

 色々お願いします。スラりん先輩。




 ◆◆◆◇◇◇◆◆◆


 模擬戦までのゴンラ君の様子


 おらは今密林で猛特訓してます。

 この間みたいにスラりん先輩に守られてばかりじゃゴブリンが廃るってもんです。


 腕立て伏せをして(毎回腕立てを始めるとスラりん先輩や魔獣達が背中に乗ってくるんだよな~、きっと重りになってくれてるんだろう。

 ……上下に揺れるのを楽しんでいるわけじゃないよね?)


 腹筋をして(この時も毎回スラりん先輩がおらの腹の上で飛び跳ねるんだよな~。なかなかいい筋トレになってます。

 ……ただ時々アナコンダイが来て、スラりん先輩を真似してか思いっきり尻尾でおらを叩こうとするのは勘弁して欲しいです)


 懸垂をして(木にぶら下がった瞬間、おらの足元に魔獣達が集まって見守ってくれてます。

 ……マッドアリゲーターが大口を開けて落ちるのを待っていたのは気のせいです)


 そして最後にスラりん先輩とスパーリングをします。


 スラりん先輩この時ばかりは本気で襲ってきます。

 最初あのプニプニボディだから体当たりされてもそんなに痛くないだろうと油断してました。

 はい……、本当に油断して、なおかつ侮ってました。


 まさかおらの口めがけて体当たりして来て、そのまま体内に侵入しようとするとは……。


 プニプニボディのせいで掴んで離そうとしても掴めなかったです。

 そしておらはそのまま気を失ってしまいました。



 目が覚めるとスラりん先輩は他の魔獣達から拍手喝さいを受けていました。

 (手も無ければしゃべれもしないですけど、魔獣達の目はスラりん先輩を本気で尊敬してる目でした)


 そしてその日からさらにおらの修行は激しくなっていくのでした。


 魔獣達に手伝ってもらっておらは日々の修行に励みました。

 そのおかげでおらはダンジョンにいる魔獣達と親睦がかなり深まりました。




 そして迎えた模擬戦の日。


 相手はヤードさんです。

 日頃いろいろ面倒見てくれていますが、この日ばかりはそんなの関係なく本気で首を獲りに行きました。


 まぁ結果はおらは腕を掴んだ姿勢で魔獣達にぶつけられ気を失ってしまいましたが、みんなで力を合わせれば何とかなるということを実感できました。


 模擬戦の後、密林エリアに帰ろうとしたおらにヤード先輩が声をかけてきました。


 「ゴンラ初めて会った時に比べて強くなったな」

 「いえ、まだまだですよ。おらもっと強くなりますから」


 そうまだまだなのだ。

 まだあの時見たスラりん先輩の背中?には届いていない。


 「そうか、これからも頑張れよ」

 「はい!」


 頑張っていきますから、見ていて下さい。




 ◆◆◆◇◇◇◆◆◆



 それぞれの休日の少し前のゴンラ君


 「スラりん先輩少し大きくなってませんか?」


 いつものようにスラりん先輩とスパーリングをした後おらは尋ねる。

 スパーリングは何とか口に入るのだけは阻止できるようになったが、変わりに脛打ちやひざの裏からのカックン、肩パンなど地味に痛くきつい攻撃をしてくるようになった。


 おらの問いにスラりん先輩は体をプルプルと震わす。


 「『自分ではわからない』ですか」


 スラりん先輩と生活するうちにいつの間にかおらはスラりん先輩の言いたいことがわかるようになっていました。


 「『だがもし大きくなっているというなら、それはお前のおかげだろう』、ってどういうことですかスラりん先輩?」


 相変わらずスラりん先輩はプルプル震えてるのにダンディだ。


 「『可愛い後輩が俺を越そうとしてるんだ、なら俺はいつまでもお前が憧れる先輩でいないといけな、そう言うことだ。

 先輩の背中って言うのは大きいもんだろう?』

 スラりん先輩!!!!!!!!!」


 おらはスラりん先輩を抱きしめて漢泣きしてしまいました。


 スラりん先輩、あなたはなんてカッコイイ先輩なんだ。

 そんなあなただからおらは尊敬しついて行くんです。




 感激して思わず力一杯抱きしめてしまいます。

 そんなとき――、


 プッチ


 おらの腕の中でそんな音がしたと思うと、スラりん先輩の重さが急に軽くなりました。


 「えっ?」


 突然のことにおらは急いで腕の中を見るとそこには変わらずスラりん先輩の姿が。

 でも、さっきより小さ――、


 「ゴッッフ!!」


 今度はおらの腹にものすごい衝撃がきました。

 その衝撃のせいで後ろに倒れ咳こみながら、衝撃の原因を探るとそこには怒った姿のスラりん先輩がいました。


 「どうしたんですかいきなり」


 なんで急に怒り出したのか分かりません。

 って言うかさっきまでおらの腕の中にいたはずでは?


 「えっ、『強く抱きしめすぎだ!』ですか?」


 強く抱きしめたのがいけなかったのだろうか?

 そう思ったとき、今度は後頭部に衝撃を受ける。

 一体だれが、と思い後ろを振り向けばそこにはスラりん先輩がいた。


 「へっ?」


 慌てて正面を見るとそこにはスラりん先輩がいる。

 前後交互に見るがそこには変わらずスラりん先輩の姿がある。

 もしかしてこれは……、


 「『お前が強く抱きしめたせいで分裂したじゃないか!!』って、分裂ってそんな仕組みになってたんですか!!」





 この日おらはスラりん先輩の神秘に触れることになった。















 追記


 「まあ分裂してもスラりん先輩はスラりん先輩ですから。

 大切な先輩には変わりないですよ」


 そう、二人になってもおらの大切な先輩が増えただけで変わりはない。


 おらが笑顔でそう言うと、スラりん先輩達はプルプルと震える。


 「『当たり前だ。

 ……それから俺達にとっても、お前が可愛い後輩には変わりないからな』。

 ありがとうございますスラりん先輩」


 照れたように早口に言われた言葉におらは嬉しくなりました。


 これからもついて行きますよ。スラりん先輩達。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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これを励みにもっと頑張っていきます。

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