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7日 二人目

 散歩してたらさ、ドレス着た女の人が飛び出して来てん。

「ふふ、わたくし、こういう時に歌うお歌存じて居りますの。おっにさっんこっちら、手ーの鳴ーるほーうへ」

 ほんでな、その後ろから、例の鬼さん迫って来てるねん。

 …………ンな呑気に歌ってる場合かぁあああああ‼ 殺されんぞ自分‼

「舐めやがって」

 ほら! 鬼さんガチやん! 本気やん‼ おーいお姉さん⁉ 何歌ってはんの、今度はえらいゆっくりした曲歌ってんな。声綺麗ーとか言ってる場合違うねんって! 待ってお姉さん!

 ……あれ? 消えた。

 あ、鬼さんこっち来てるー。逃げな‼

 どこ行こ、このまま走ったら中学着くやん。ダイ爺居るかな。うん、ついでに見てこ。

「ダイ爺ー、居るー?」

「レイ? うお、何かガッコで見るの久々だなぁおい」

「せやね……って……」

 あれ、お姉さん? え、さっきのお姉さん? なんで?

「あ? どした」

「後ろの人、誰?」

「はぁ? ……あのなぁレイ、俺らも幽霊だぜ。怖がるかよ」

「いや、だってほんまに居はるもん」

「はぁあ? うぉっ、ほんとに居た!」

「やから言うたやん! 知り合い?」

「いや、しらね」

 ……お姉さーんどこ行かはるのー? 何珍しげにバスケのゴール眺めてはんのー。

「あ……」

 あ、気付かはった。ドレスを両手で持って、膝折るっていうめっちゃ優雅な会釈されたんやけどどうやって返せばえぇのん。うちスカート履いてへんで。学ランやでただの。

「ごきげんよう。私はレイツェルと申します。ここはいったいどういった施設なのでしょうか?」

「体育館っすけど……」

「たいくかん?」

 言いにくそやな。ほんでこの人ほんま何なん。体育館知らんとか、どこの箱入り娘やねん。どこの人やねん。

「えっとー……学校の、スポーツとかする建物?」

「始業式とか終業式とかな。あれ、まとめて何ていうんやっけ。式典?」

「そーそー、何かそんなん」

「運動をする建物と式典を行う建物が同じなのですか?」

「せやでー」

 って、普通そうちゃう? え、違う学校あんの? それどこの私立。少なくともうちは知らんもん。行ってた所と、ここの中学くらいしか知らんもん。

「へぇ……うふふ、良い建物ですわ。とってもシンプルで」

 馬鹿にされてるんか褒められてるんかわからんな。でもま、喜んどこ。

「お姉さん、どこの人ですか?」

「魔界から参りました」

 ……おっふ。そんなんあるんや。実在したんや。

「なんで鬼さんに追っかけられてたん?」

「いつもの事ですわ。お気になさらず」

 いつものコトて。お気になるわそういわれても。

「なぁなぁなぁなぁレイツェルさん‼ 魔界からってことは魔法使えるのか⁉」

「え、ええ。もちろん」

「何を食い付いとんねん」

 お姉さんドン引きやで。

「え、だって見てみたくね?」

「いやまあ見てみたいけども」

 一応昨日見たんやけどな。魔法の無駄遣い。

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