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3日 文化祭前の方が気持ち高ぶる不思議

「きゃっほー‼」

 何か叫びたかってん。叫んでみたかってん。いやだって、ほら! 文化祭前日らしいねん! そんなことを今朝トーカが言ってた。ほんで、うちも見学来てみてん! わざわざ忙しそな夕方に! 昼間は――うん、ジュジュ他妖怪達と遊んでた。コマ上手なってた。完全に抜かれたわうち。凹む。

 でも! でもでもでも! 今は凹んでる場合ちゃうねん! 文化祭やで文化祭! っていうか、その準備! 多分あれやで、一番気分高まってるで。うちは。

 さーて、どこ行こか。やっぱまずは……トーカんクラスか。三階のどこやっけ。あ、居た。この部屋やな。

 ……あれ、おっさん顔の生徒やん。自分このクラスやったんやな。

「コウチさん」

「はーい?」

「はい」

 うみゃいぼう? ってか、パックでっか。透明のパックに何十本も詰まってる奴やん。クラス全員分くらいあるやん。

「わー! ありがとぉ!」

「はーい。ササヤマさん、はい」

「あ、ありがと」

 ホンマにクラス全員に配ってはるわ。小さい女子にも渡そうとしたら、

「ごめん、チーズ無理なの」

「あ、そっか」

 ドンマイ。全部チーズ味やからな、そのパック。

 ほかの皆様も何ややってはる。こっちはなんか壊れた……衣装? 鎧か? うん、なんか段ボールのそんな奴直してはって、さっきの小さな女子は小道具の調整っぽいことしてはった。

 何の劇か全然わからん。とりあ、全体的に緑色の物が多い。うちが分かったんはここまでや!

 ……あれ、皆さんざわざわし始めた。何? 何?

「はい」

 ……おじさん。なんでコンポタ味も同じ量用意してはんのん。クラス全員分よりもだいぶ多いやろそれ。

「っていうか……お前それ、明日用意するべき物だろ!」

 え? どれ? 机の上?

 ……わー、めっちゃ大量の紙コップ。アーンドでっかいカル○ス。アァーンドでっかいミルクティー。の、ペットボトル。

 もう打ち上げやん! ノリが打ち上げのノリやん! 何、前祝⁉ 決起集会⁉ 決起集会って何。

「いる?」

「いる」

「俺も欲しいー」

 いるんかい。飲むんかい。

 やー、えぇなぁこの雰囲気。これぞアレや、文化祭前の雰囲気。カッコを付けて、優勝候補編。きっとアレや、結構完成してるんや。それか他の事眼中にないかやな。

 他はどこがあるかなー。……ん。何か練習してはる。三人ってことは……あ、思いつかん。なんで三人なんやろ。

「あー、一分越えちゃいましたね」

「あっちゃぁー。もー、宣伝時間一分とか少なすぎ!」

「ここ削りません?」

「どこー、あぁ、ここね」

「もっかいやりますか」

「おー、やろ」

 お。何か始まるらしい。

「コント! 図書委員会の宣伝」

 あっ。うん、何してたんかよくわかった。ついでやし見て行こ。

「図書委員会では、しおりグランプリを開催します。しおりを掲示するので、ぜひ投票を――」

「ダメですよ、最近はもっとインパクトが無いと。変わってください! 戦え、白き札よ。そしてその力の源となる清き――」

「えー、しおりがえらくカッコ良くなっちゃいましたね。代わってください。……本にしおりは刻まれていくけれど、君の思い出に、僕のことを刻み込んでみない――」

「ッきもいから‼ 代わって」

 ほんほん、なんか、ナチュラル、変人、変態でぐるぐる宣伝していくんか。いや、宣伝してるのナチュラルな人だけやろ。

「他にも、写真を撮ったり受付をしたり、いろんなことをしています」

「ダメですってそれじゃ、代わってください! 暗黒の世を照らす刹那の光。そして集う数多の記憶‼」

「はい、中二病は中二で卒業しましょうね。代わってください」

 なぁ、今さ、すぐそこの廊下で一人胸押さえて片膝付いたで。めっちゃ中二っぽいしぐさで。

「文化祭は二日で終わってしまうけれど、僕と君との思い出は一生の――」

「だからきもいって!」

 結構ガチで言ってるぞこの女の人。うん、まぁ、もっさり系やからな! ……ガンバレ。

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