2日 ま、怒りますよ。
「……自分、どっかで会うた?」
いや、うなられても分かれへんねんけど。
えー、レイちゃんはただいま、頭は猫で体は犬の大型動物と対峙中。ちなみにその動物の背中にはキーヴァが、前よりも何か男らしい顔になって跨ってたり。何が起こったん、自分。
「『知らねーな』だとさ」
「なんでわかるねん自分!」
「……ふふふふんっふふん」
歌うなし。犬猫の気持ちについて書かれた雑誌のCMソング歌うなし。地味に上手いな自分。でも真顔で歌われるとギャグにしかならへんからな?
「キーヴァ何してんの?」
「乗ってる」
「うん、せやな。確かにせやわな。乗って何してんの?」
「移動」
「……足なんやな、自分」
頭なでなでしといたろ。耳の裏気持ちえぇかー? あれ、そうでもない? あれ、何も反応なし? 酷いな。なんで唸るん? あれ、嫌やった?
「足の意味が分かんないってさ。褒め言葉で良いよな」
「いや全然違うんやけど」
「褒めといたら機嫌良いから」
「単純か!」
「ああ。凄く便利」
「酷いな自分ぁ」
「だろ」
「何あたりまえみたいに言うとんねん」
「酷い、は褒め言葉だろ?」
…………誰かー、この子にちゃんとした教育受けさせたげてー!
「え、ガチで思ってる?」
「先祖代々天邪鬼」
ごめん、何て言ったか聴き取れへんかった。
「何て?」
「おぉおおおおおリボーさんじゃん⁉ リボーさんじゃん‼」
えー、背後から何者かが接近していますね膝蹴りされましたね。蹴り喰らったってことはこの人幽霊的な何かですねっていうか、この人昨日シルと一緒に居た人と同じ声……。
「お久しぶりっす! あ、えー、日本語わかります? リボーさん話してるところ見たこと無いんですが」
人が動物にめっちゃ敬語使ってる。ほんでうちはずっと踏まれてる。誰か助けて。上の人退けて。何なんこの人、他人踏みつけてそのままスルー? 無いわー、マジ無いわー。
「日本語全然ダメ。でも教えないで。怒るから」
「は? 何言ってんだぁ?」
「車と足の意味は教えないで」
「……ははぁ。キヴ坊や、何か違うこと吹き込んだな? そういうことは口にしちゃ駄目だぜ。リボーさん……車・・・・……」
「じゃあ、今日はさよなら」
あ、キーヴァ逃げた。
「・・・・、足・・・・・・・・」
おい。いつまで踏んでんねん。そんで何語しゃべっとんねん。おいキーヴァ、助けろし。上の人退かせろし。なぁおい、リボーさん? とか呼ばれてる動物さーん。足元に人が転がってますよ。
……動物吠えた。めっちゃ怒ってる声で吠えた。
「よしっ、これでキヴ坊やも反省するだろ!」
「おいコラおっさん。いつまで踏んでんねん」
あ、つい声が。
「……おっさんって言われた……」
悪気はない。が、顔も知らんから『おっさん』を撤回する気も無い。とりあ早う退け。




