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現役幽霊だらだら日記  作者: 呪理阿
まにまに 3
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91/163

六月中旬 その職から、町

「さびしいの」

「そうかい」

「くらいの」

「ふんふん」

「しめっぽいの」

「急に季節感はじけたねぇ。梅雨ってのはそんなもんだよ。あたしもこの時期髪が大変でさー。短いともっと爆発してたかも。いやーゴムってすごいよね。これ一本で爆発頭もすっきりよ。ま、あたしはピン止めで下しとくのが好きなんだけど。まぁ、仕事中くらいはね。えー、そんで、君どこに居るの? 何してんの?」

「わからないの」

「声からするとこの辺だよねぇ。でもおかしいね、ゴミの山しかありませーん。ありゃ、誰だこんなところにスマホ捨てたやつ。ん? 違うか。落としたんだね、あっははドンマイ。財布は警察に届けない派なのあたし。君は?」

「…………わからないの」

「あぁ、早口でごめんねー? でもこうしないとさ、あたし結構喋るから飽きられちゃうのよ。ふっふふ、話がつまらないって地味に言ってくれてるよねコレ。凹むー」

「……よしよししてあげるの」

「あはは、へー、優しいじゃん。どうやって?」

「あぅ」

「コレかしら、っと。ねぇ、今、ロッカー立ててみたんだけど、どーお? 何か変化あったー?」

「痛いの」

「ああ、じゃあこれね。この中ね。鍵かかってないかな大丈夫かな――あ、大丈夫だ。開けるよー。心の準備しといてねー。梅雨のくせに今日はお空真っ青だからねー」

「わかったの」

「ハァイ、どうも。こんにちはー。あらっ、可愛いじゃん。でもやっぱ髪はぼさぼさよねー」

「おい、サボってんなよ」

「サボってないもーん、人形救出作戦だもーん」

「んだぁ? そら」

「ほら、可愛いでしょ」

「おめが言っても説得力ねーわ」

「ありがと、こんどデートする? おごってね」

「性格は顔に出るって言うのになぁ」

「出てるじゃーん、この、純真無垢な明るさがしぃっかりと! ねぇ、人形ちゃん?」

「うわ自分で言った。っかしいな、このずうずうしさがどこにも出てねーべ?」

「ふふん、DNA、このすばらしさ! そしてこの霊体にも影響する謎!」

「やっぱお前分からんわ」

「分からなくて結構! ……あれ?」

「どした」

「人形ちゃんの中身がどっか行っちゃった」

「また不気味な人形だな。どっから拾ってきたよ」

「そこ」

「拾い食いやめろよ。腹下すぞぇ」

「いや食べないよ、さすがに人形は食べないよ?」

「あぁ……そんだら良かった」

「何さ。何の安心さ」

「いやぁ、見たもん全部食うんでねぇかと思うて。いつか俺もオイラも食われたらどうしようとか」

「それは無い。幽霊は無い。第一君まずそう」

「………………今のは来た。こう、ぐっさり来た」

「それはよかった!」

「嬉しそうに言うんじゃねー! 何だその満面の笑顔、殺す気か……っ」

「あら消えるの? ちょっと寂しくなっちゃうなー。でも穴埋めはきっとすぐにできるから大丈夫だよ。安心してお逝き」

「俺の心は氷河期を迎えた」

「氷おいしいよね」

「わかんねぇ……‼」

「で、あたしらそろそろ仕事戻らなきゃまずいんじゃない? 死ぬんじゃない?」

「そ、そんなに短気なのか上は⁉」

「んー……、んーや、すっげー軽い。でもすっげー気分屋。そして誰が見てもめちゃめちゃ怖い。うーん、ちょっとあの日々には戻りたくないですはい」

「……流石だなぁ」

「というわけで、戻りましょー。ま、上が来るわけ無いんだけどねー」

「んだよ、脅すな!」

「いや、上が~とか言い出したの君じゃん。あっはは馬鹿だねー、あの方来るのは月末と数日だよ」

「へー! 知らねかった」

「知っとこうよ。ほんじゃ、またね。穴掘りガンバレ。ここ掘れわんわん」

「穴掘りじゃねーし、建設だし! ……最後なんつった?」

「ここ掘れわんわん」

「んだそりゃ」

「あら、知らない? 昔話読んで出直しといで。花咲か爺さんがお勧めよ」

「は、花咲かない爺さんだな⁉」

「何それ。うん、まあ、うん、そう、それがお勧めー」

「わかった!」

「……がんばれぃ。ま、放っとこ」

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