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30日 十回言ってみて

「エンドウさん、『キッチン』って十回言って」

「キッチン、キッチン、キッチン、キッチン、キッチン、キッチ……あれ、何回目だっけ……キッチンキッチンキッチンキッチンキッチン」

 まさかの。十回クイズしようとしたらまさかの言う段階で躓いた。

「キッチンキッチンキッチンキッチンキッチン!」

「鳥は英語で?」

「チキン」

「ぶー、バード? でした」

 あれ、バードやんね。あってるよなうち。あかんわ英語。

「あっ!」

 うん、エンドウさんが『あっ』って言ってるってことは正しいんやな。

「も、もう一回!」

「いや、もう答えわかってるやん」

「あ、えっと」

「ほんじゃ、ピザって十回言って」

「ピザ、ピザ、ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ」

 十回やって。多いって。

「十回言った?」

「……おん」

 数えるん諦めてんな。

「ここは?」

 腕の関節。

「ひざ」

「ひじやで」

「はぅっ⁉」

 楽しいなこの人。行ってほしい答えしっかり言ってくれはるわぁ。

 これも大概定番やけど、もっと定番なこれやってみよ。これでも引っかかるかな。幼稚園の時には知ってる子居るで。

「しかって十回言って?」

「しか、しか、しか、しか、しか、しか、しか、しか、しか、しか!」

 お、表情変えへんってことは知らんのやな? よっしゃ。

「サンタさんが乗ってんのは?」

 正解はソリ。大抵騙されてトナカイって言うヤツ。来い、トナカイ来い!

「しか?」

 おっ……とぉ? 何か斜め上来たぞ。予想の斜め上来たぞ。

「なんでサンタさん鹿乗るねん! 乗るとしても神やろ!」

 っていうか、鹿乗るてどこのア○タカ。どこのもの○け姫。

「ふぇ? あ、あぁっ‼ トナカイ!」

「ソリや!」

「あぁあああ‼」

 もうぐっちゃぐちゃやなエンドウさんの頭。これは……いじりがいあるわぁ……。

「アケヤマさんって十回言って」

「え? あ、アケヤマさん、アケヤマさん、アケヤマさん、アケヤマさん、アケヤマさん、アケヤマさん……」

 うまいこと行くかな。ちょっとためしにって感じやねんけど。

「アケヤマさん、アケヤマさん、アケヤマさん、アケヤマさん」

「自分の名前は?」

「エンドウさん、あっ」

 さんづけした。さん付けは想定してへんかったわ、うん。

「え、エンドウ!」

「それ姓やろ? 名前やん」

「あぅうううううー」

「エンドウさん? さっき呼びましたか?」

「いっ、いえっ! 何もありません! はい!」

 なんかごめん、アケヤマさん本人出てきちゃった。ごめん、ちょっと名前借りただけ。

「ぬーん」

 え、なんでエンドウさんも落ち込むねん。

「ごめんやん」

「むー。レイちゃん、ごめんなさいって十回言ってみて?」

 え? 何の十回クイズ?

「えっと、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさ……」

「そんなに言うなら許してあげる」

 ……引っかかった‼

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