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25日 振り向いてくんない

「おーうミヤビ。どうやって乗ったん、そこ」

 コウチ家のベランダ。の、柵の外にミヤビがのてっと寝そべってた。なぁミヤビ、ベランダの窓全部閉まってるで。どうやって乗ったんホンマに。

「にゃー、ミヤビ。どうやったーん」

 話しかけたら尻尾で返事が帰って来た。声出すのめんどいってか。返事めんどいってか。酷いなぁ。なでなで。うん、安定かつ相変わらずのもふもふっぷり。ビバもふもふ。

 ちょこんと手が、違った前足が、投げ出されてたからそこをそっと握ってみた。

「安心し、うちが守ったる」

 なんつって。あ、コラ、噛むなし。待て待て待て、うちの事捕まえんといて。がじがじせんといて。ああでも、うちの手を挟んでる肉球が気持ちいい。……がじがじに耐えて肉球&もふもふをとるか、肉球もふもふを諦めて身の安全を取るか。

 ま、普通肉球もふもふ取るやろ。ふふふふふ気持ちいいー。……たぶん今、端から見たらうち不審者やな。

 でもえぇわ、それでもえぇわ。うふふふふお腹のもふもふ感やばい。めっちゃやらかい。ミヤビちょっと太った? もふもふふわふわ、あー、しあわせ。

「にゃぁ」

 あ、今ちょっと鳴いた。小さい声で鳴いた。あーもう可愛い。うち悶えるで。悶え死ぬで。あ、もう死んでたわぁでももっかい死ぬで。あー、その眠そうに細めた目が可愛い。あれ? うちの事睨んでる? ひょっとしてうち睨まれてる? ごめんな。でもうちの事かじってんの自分やで。うふふふふ幸せ。あかん、口元めっちゃ緩んでる。涎垂れてた。あかんあかん。うふふふふ。……あかんな。今日ちょっとおかしいな、うち。ただの不審者変質者やな。相手猫やけど。

「なあ、にゃーあ」

 ……何で話しかけたら目ぇ閉じんねん。傷つくわボケ。あ、ボケとか言ってもた。嘘やで。嘘やからな。

「なんでにゃーはそんにゃに可愛いのかにゃー」

 ホンマに寝たふりすんなよ。あれ、本気で寝てる? いや、流石にそれは無いよな。目ぇ閉じてるだけよなこれ。お、目ぇ開いた。

「おはー」

 あれ、立ち上がってベランダの窓の方行っちゃった。え、ちょ、酷ない⁉ さすがにそれは酷ない⁉ あかん、うち立ち直れへんかも。

「にゃー」

 ……窓開かんってか。性格には網戸のはずやねんけど、それが開かんってか。

 カムバック! 戻っといでうちの所に! 膝おいで! 昨日の豆腐小僧のごとく! 乗って乗って! あ、え、ちょ、何でうちから遠いところで寝そべるの。酷いわ自分。んじゃこっちから居こ。

「どや、来たったぞ!」

 めっちゃ睨まれた。

「なあ、にゃー? もうちょっとなー、何か、可愛い表情してくれたら、レイちゃん嬉しなぁ」

 眠られた。

「お目めぱーっちり開けてくれたら、嬉しいんやけどなぁ」

 いやまあ、寝顔も可愛いけど。可愛いんやけど! 

 ……寝顔だけでも目に焼き付けとこか。

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