19日 ついつい巡る
………………何やろー、今日はなんか、異国情緒っていうん? 何かそんな物漂うお方がいっぱい居はるわー。町うろちょろしてる間に三人くらいすれ違ったってだけやねんけどさぁ、この町小さいからコレ結構な数やと思うで? だって、うちが会うた以外にもいっぱい居はるんやろ? 一匹見たら二十やっけ、三十やっけ、あれ、百? ……いやいや、ネズミとかゴキとかと一緒にしたらアカンな、さーせん。
いやでもほんと、皆さん何なんですか。おそろいのバッチだのペンダントだの付けちゃって。おそろいの上着なんか着ちゃって。アレか、仲良しアピールか! だとしたら何で革製チョイスやねん。もうちょっとお手軽でもえぇやん。ほんで今夏やからな。めちゃくちゃ暑いからな。
ふぅ。とりあえずこんな所で満足しとこか。
「レイ坊、どうした? ため息なんぞ吐いて」
「あー? 別に何もないよ」
とりあえず神社に逃げ込んで、そしたらなんか爺ちゃんの髪乱れてたから直したげてるところ。……神が乱れるっちゅーたら何か不吉に聞こえる。うちだけ?
「……いや、なんかさー、町中に変なん居ったからさー。すごいで、皆コスプレしてはんねん。おそろの上着とかバッチとか付けてはってんで」
「……何か話したか?」
「へ? んーや、何も。何かお仕事中やったみたいやし」
タブレットちょいちょいってやって、何かしてはった。……幽霊か妖怪かどっちか知らんけど、そんなんが何の仕事すんねん。って、自分で言っといて思った。
はっ! もしかしてあれか、タブレットと、えー、位置教えてくれるアレ使ってゲームしてるんか⁉ RPG? RPGって何の略やろ。最後はゲームやから……
レッドポッ○ーゲーム。
……違うな。コレは無いな。○ッキー辛そうやなコレ。まあ何にせよ、町全体使ってできるゲームって楽しそうやな。コスプレした上、めちゃくちゃ真剣な顔してゲームやってるとか痛々しすぎるけど。
「痛い」
「なー、思うよなー」
「わざとか⁉」
「へっ? あ、ごめん爺ちゃん、櫛、どっか引っかけた?」
「……引っ張りすぎだ……」
「あ、これか!」
いやだって、引っ張らなまとめられへんし? とか言い訳してみつつちょっと手を緩めた。
「はぁ……。どうしたレイ坊、何か気になることでもあったのかい?」
「んー、まあ、な」
「何だ、言ってみなさい」
「RPGって、何の略やったっけ」
「は?」
「いや、レッドポッ○ーゲームかなーとか一瞬考えてんけど、やっぱ違うよなぁ。どしたん爺ちゃん、ため息なんか吐いて」
「……いや、なんでもない。何でもない」
二回言った。
何なんやろ、なんかあったんかなぁ。
『ホウチノオオミカミ、居るか』
ん? お客さん? 外から話してはるけど。……ホウチのオオカミ……って、誰や。
「……何の用だ、ジャイズン」
鬼さん⁉ え、まさかの鬼さん⁉ 声違いすぎてわからんかった、タメ語やけど、めっちゃ真面目な声しとる。……いやでも、鬼って神社来るような奴ちゃうやん! むしろ払われる方やろお前!
『手紙を預かって来た。多分大した事じゃないが、一応早目の確認を』
「お前、レイに何かしたか?」
『ん。町の外の事だ』
あ、どっか行った。……っはー、良かったー。
よしっ、髪の毛完成!
「爺ちゃん頼もしわぁ」
「……はは。どうもなぁ」
頭撫でられた。相変わらず子供扱いか、そらね。……んー、温かい。




