18日 コマコマ
「すごいの! くるくるなの!」
コマやん。懐かし。小学校ん時めっちゃやってたわぁ。
「昔遊んでたやつだけど、けっこう綺麗だろ? 皆にやるよ」
「いいの?」
「ああ、大量にあったんだ。一個や二個や三個、どうってことねぇよ」
いやお兄ちゃん、このコマ全部で五個あるで。これでどうってことないって、どんだけあったんよ。
「ありがとうなの!」
「回せるように頑張ってね」
姉ちゃんの笑顔は今日もまぶしいです。
えー、今神社に居るんやけどな、アパートの兄妹さんが実家から持って来はったコマをマリーちゃんやら豆腐小僧やらジュジュやら、妖怪の子どもたちにあげてるんよ。見たこと無い子も居る。一つ目小僧とか。
「マリーさん、やってみるのー」
「マリーちゃん、それ紐の巻き方違う。紐はまずコマの上にチマッと出てるところに『の』の字に巻きつけてやな……貸して」
やってるの見せた方が早いわ。
豆腐小僧は知ってるみたいやな。ジュジュはマリーちゃんと一緒にうちの手元を覗き込んでる。
「こっちは神主さんと神様に……つまらないものでごめんなさいね」
「いえいえとんでもない。コマだけでなくお菓子まで、どうもありがとうございます」
え、なに、何渡してはるん? めっちゃ気になる。うちも食べたーい。よし、あとで爺ちゃんところ行こ。
「じゃあ、俺らはこれで」
「失礼しますね」
「ほんで、持ち方はこう。紐の先っぽを、ここ、小指と薬指で挟むねん。で、」
シュッとやったら回るって言う。
「投げるの?」
「そうそう」
やっば、めっちゃ楽しい。久々にやったらめっちゃ楽しい。
「むー……回らないのー……」
「練習したらできるようなるて! なっ」
……って、豆腐小僧の方振り返ったつもりが、なぜかキーヴァと目が合った。
「ぅきゃぁあああ‼」
「うっさい」
さーせん。
「俺、そんなにびっくりさせることしたか?」
「……いや、音もなくそばに立たれたら……なぁ?」
「同意求められても困る」
日本語達者になったなぁ自分。
「これ、何?」
「コマやで、コマ。日本のおもちゃ」
「ふーん……。紐巻いて投げて回す?」
「そうそう。あ、やってみる? いっぱい貰てん」
キーヴァにうちが持ってたやつ渡してみたら、紐の巻き方は問題なし。凄いな自分。巻き方ちょっとコツあるのに。コマの棒に近い方はぎゅうぎゅうに絞めて、外行くほどゆるくまくんやで。
あ、でも投げるのは上手いこといかんな。ぺいっと投げて放り出されたコマが、地面をコロコローっと転がった。ふふん、ちょっと優越感。
その時ちらっと目に入った豆腐小僧。何かちょっとすごいことやってたような気がして二度見したら、ちょっとじゃなくてめっちゃすごいことしてた。一本釣りとか、綱渡りとか、頭の笠の上に乗せたりとか。すっごい華麗な手さばきで。めっちゃキビキビしててめちゃくちゃかっこいい。小さいのに! むしろ子供やなのに! 何これ、達人が居る。
「すごいの! もっとやってもっとやって!」
豆腐小僧のワンマンステージとなりました。すっげー、もっとやってー。




