17日 何をしようか
「なぁなぁシューさん、俺最近女の子に抱き着かれること多くなったような気がして喜んでんだけどさぁ、俺って小さい?」
「んーや、身長は大きいと思うよー」
「そういうことじゃねぇよ。あーでもな、抱き着いてくるのってレイだけだよな」
「ダイ爺ぃいいいいいい‼ 怖かったよぉおおおおおお‼」
割とガチで。けっこー本気で! もうダイ爺が何歳だろうが異性だろうがとりあえずあれや、『温もりをください』や。幽霊に温もり求めても正直意味無いんやけど、まあ……気持ち、多少温かいと思う。
「なぁなぁシューさん、俺ひょっとしてレイに祖父ちゃん扱いされてる? 本当にジジイとして扱われてる?」
「知ーらない。若いっていいねぇ、ひゅうひゅう」
「うぜー」
……あんさぁ、その会話、全部レイちゃん聞こえてんねんで。丸聞こえやねんで。ほんで、なんでお前らうちの頭上でパス練しとんねん。バスケしとんねん。いつの間に鹿、シューさんって呼ばれるようになってんな。ほんでほんで、なんで未だ鹿の着ぐるみ着とんねん! よし、全部か? 突っ込むべきところはこれで全部か⁉
「んょ? どうしたレイ。大丈夫か?」
脳内で突っ込んでる間、ずっと黙りっぱなしやったからな。
「おー、たぶーん」
「そか? ってか、何があった」
「怖かった。これ以上言いたない」
「…………そか」
……あれ、なんか、お化けかなんかに出くわしたとか考えられてへんよね? ね?
「ねえ、たまには外行かない?」
『たまには』って、お前らずっとこの体育館に籠ってたんか? まさかずっとバスケしてたんか? どんなバスケ馬鹿。え、中学生も来るやろ? 部活するやろ? ……学校閉鎖期間か? ひょっとして。
「レイちゃと僕らじゃ、バスケ成り立たないでしょ?」
え……何なんその理由。ちょっと馬鹿にされてる感っていうより疎外感感じるんやけど。
「んじゃあどこ行くよ?」
「山?」
大好きか‼ 最初に会うた時も山やったよな自分‼ 鹿のかっこうしてるから山好きなの納得してしまいそうになるけれども。
「山は、無理。今は無理。絶対無理」
だって、シルとかキーヴァとか、よく山に居るんやもん。あのジャイズン? ジン? とか、なんとかいう鬼さんも絶対山居るやろ。
「じゃあー、コンビニ?」
「幽霊三人でコンビに行って何すりゃいいんだ!」
何も買えへんな。
「んじゃ、んー、えっと……スーパー……」
「同じやろがい!」
「遊園地!」
「どこだぁああああ‼」
もう鹿、もといシューさん、やけくそやな。……お。
「なあなあ、天井にバレーボールはさまってんで。バレーかドッジボールしようや」
「おー、いいねぇ」
ちょいっと上って、ダイ爺がボール取ってきてくれた。
「ソフトバレー用か。俺はドッジを推奨する!」
「うちどっちでもえぇよー」
「じゃあ、僕はバレーを推奨してみる」
なんでわざわざ逆のこと言うねん。
「よし、じゃあどっちにするかバスケで決めるか」
……全力で突っ込むわ。
なんでやねんっ‼




