2日 ドングリは女子大生に人気。アメリカは少年に人気。
……美しいわぁ。
並んで語らう現役女子大生とか、何か知らんけど美しいわぁ。
ま、バックが公衆便所でなければの話やけど。この神社のベンチつったら、駐車場に使われてるこのスペースにしか無いものな。しゃーないわな。
「やっぱりしいの実は煎って食べるのが一番よね!」
「ねー!」
ほんで、盛り上がってる内容もしいの実でなければの話になるな。どこに、研究してるわけでもないドングリの食べ方で盛り上がる女子大生が居んねん。あ、ここに居たわ。
「団子もできるらしいわね」
「そうそう、一回やってみたいんだけど、時間がないのー」
エンドウさんと、アパートの姉ちゃんが居たわ。
「私は作り方が解らなくて……」
「私持ってるよ。子ども用の絵本なんだけど……読んでみる?」
子供用の絵本とかなんでわざわざ実家から持って来たんやこの姉ちゃん。
「えっ、いいの?」
「今度、持って来るー」
「ありがとう!」
「代わりに、作ったら頂戴ね?」
「もちろん!」
あ、うちにもー。言わんでもくれそうやな、エンドウさんやったら。ドングリ団子かぁ……うまいんかなぁ。美味そやけどなぁ。
「まあ、秋にならきゃ作れないけどねー」
「あっ」
「エンドーちゃん忘れてたのー?」
「あ、あはは……。今って、そっか、七月だものね」
「昨日から八月だよ?」
「ふぇっ⁉ ホント⁉」
「よしよしー。幽霊になると時間の感覚無くなってくるって言うからねぇ」
「そ、そうなの……? 初めて聞いたわ」
初めて聞いたわ! マジでか! あー、いやでも、そうかも。やたら夜短かったり昼短かったりするもんなぁ。あれ、短くなってばっかやん。何やろこの損した気分。なぁチーニルよ。
あれ、飼い主どした。自分もお昼寝か? 木の上ってえぇよな。……あ、うちよりももっと上のところに飼い主居たわ。赤毛って目立つの。
「ねぇ、レイ」
「んー?」
「しいの実って、どんなの」
「ドングリやドングリ。小っこい奴」
「ドングリ?」
「秋なったらわかるわ。めっちゃ降ってくるから」
「……降ってくる……?」
考え込まれた。あれやん、表現やん。表現技法的なサムシングやん。サムシングのつづりってどんなんやっけsamusingu? あ、これやとただのローマ字か。確かsの次がo……? 確か、サムとシングを合わせたらサムシングやねん! ……めっちゃアホな事言うたな。あたりまえなこと言うたな。忘れて。
「なー、キーヴァー」
「キヴでいいよ」
「なー、キブよ」
発音違う気がするけど気にしない。
「英語のさぁ、サムシングのつづりって何やった?」
「エスオーエムイーティーエイチアイエヌジー」
えっ、えっ、何て? 何て? エスオー、エムディー、イー何とかエイチアイジェーケー……あれ、最後の方違う気がする。『何とか』って入ってる時点でそら違うんやろうけど。
「もっかい!」
「エスオーエムイーティーエイチアイエヌジー」
早口言葉?
「で、sʌ'mθiŋ」
「サムシングのクオリティ高いな自分。アメリカ人か」
「ううん」
あ、この子霊体やった。うん、いくらアメリカが人生のサラダボイル、……違う。人種のサラダボウルや。とは言ってもな。
「アメリカといえば、やっぱり軍だよね」
突然物騒なこと言い出した。でもめっちゃ少年っぽいこと言ってる。そっか、なんやかんやで二つ三つは年下やん、見た目的に。
「アレ相手に一回戦ってみたいなぁ。いや、やっぱり先に銃火器の扱い教わらないと。むー……」
ごめん、嘘ついた。全然少年っぽくない。ってか、別の意味で少年っぽいわ。中二病って言う意味で。
タイトルに一言付け足し。
『レイ調べ』です。




