4日 突然の雨って大変
うはー。どっしゃぁ降ってるなぁ。えぐいわ。ついさっきまでは全然降ってへんかったのに。曇ってたけど。
雨で視界は白くなって、急すぎる激しい雨に走る人が何人か。雨宿りする人も何人か。あきらめる人も何人か。事故る人も……ってうぉい‼
……幸い、事故った人に怪我は無かったみたいやけど。あ、喧嘩始めはったわ。怪我無いとは限らんな。
行動できる範囲ギリギリの場所からお送りしております。二、三歩隣町の方へ歩けば……
「うきゃぁああああああ‼」
高速でコウチ家まで引き戻されますぅぉおおおおお‼
あ、今中学校すり抜けた! ダイ爺居た気ぃする‼ やっぱダイ爺は体育館、リノは音楽室に帰ってくるんやろな、引き戻されたら。
はい、あっという間にコウチ家到着。お、トーカ帰ってたんやな、濡れてないところ見るとセーフやったか。よかったな。
よしゃ、また外行こっ。
二階の窓からお隣さん家、屋根に上って、そやな、どこ行こかな。……あれ。
何か、道路の方で緑色のが動いてる。なんやろ。
行ってみた。
笹やった。
そっか、七夕もうすぐか! 今年は二人会えるんやろか。……ってかさぁ、梅雨に七夕とか酷ない? 二人会えない可能性高ない? ……よしゃ、もし七夕に雨が降ったらそれはうれし涙ってことで! 織姫さんと彦星さんが会えて嬉しいから泣いてるってコトな!
さて、それはともかくとしてやな。この動く笹。制服着た女の子が運んでんねんか。しかも、笹結構でかいねんか。一人で運べるサイズとは言え、な? 歩く度にふぁっさふぁっさ揺れてんねんか。
……大雨の中、でかい笹担いで、制服姿で歩く女の子やで?
「謎いわッ‼ なんでなん⁉ どこに運ぶのん⁉ 笹、ふぁっさふぁっさやめい! いや、最後のはあんま関係無いけども!」
あー……何で叫んだしうち。恥ずっ。穴があったら入りたい。いや、無くても入れるんやけどな、地面とかその辺。せやな、マンホールでも入っとこかー。
あ、別に聞かれてないか。んじゃいっか。入らんでも。この子の尾行とかしてみよ。どこまで運ぶんか気になるし。
「…………何、今の。ちょっとやめてー、勘弁してー。って言うかなんで関西弁なのー」そして少女は走り出した。
…………何、今の。
え、ちょっ、ガッツリ聞かれた感じやん。待って、聞こえてたん⁉ えっ、えっ⁉ うそん、聞こえ……? ちょ、待ってー‼ っていうかこれうち隠れるべきなん? 穴があったら入りたい実践すべきなん? いやもうどうでもいいですレイちゃんは笹の行方を追います。はい。っていうかあの子どこ行ったんやろ。
あ、居はった。全速力で走ってはるけど、息上がって来てる。あ、走るのやめはった。笹、ひょこひょこやめい。
「ふー、はー、ぜー」
大丈夫かこの子。
はぁはぁ言いながら高校に入って、靴履き替えて、階段昇って……。着いた場所は図書室?
「せんせー……笹持ってきましたー……」
「ああ、ありがとう……って、びしょ濡れじゃないの! 大丈夫?」
「あはははは……大丈夫ですー」
あと、うちから逃げる途中でぐねったんやってさ。即保健室へ行ってらっしゃいしました。何かごめんな。
あの笹は高校の図書室の飾りやったみたいです。でかいな飾り。クリスマスになったらもみの木飾るんか。またあの子がもみの木担いでくるんか。……見たいかも。いや、何も言うてへんよー。
さて、笹の謎が解決したところで、次はー……どこ行こ。
外出て、ちょっと飛んで、ぐるっと町内見回してみた。雨やなぁ……。何か落ち着くこの音な。ちょっと暗くて、見える世界は広いのに繋がってる感じせんくって。てか、騒がしいのに静かって不思議よな。
「……あー、独りって身軽やわぁ」
とかな、いつも独りのくせに呟いてみたり。
見上げたら高さもよう分からん灰色の雲から雨が降って来るけど、それ全部すり抜けて、だからまあ、雨粒が落ちて来るの見えるんやけどね。いや、見えるような見えんような。むずいわ。
あ、そうそう、あんなぁ、幽霊って、風はすり抜けられへんみたいやねん。いや、いきなりどしたって思うかもしれんけど。急に風吹いてきたもんやから。つっよい奴が。
つかまれるモンも踏ん張る地面も今近くに無いから……ちょっとレイちゃん、吹っ飛ばされてきまーす。びゅう。




