表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
19/163

23日 今日は厄日

『体育館行ってみんか?』

『七不思議探ししててん』

『なんか、勝手に跳ねるボールってあるやん。探しにいこ』

 はい、居ませんでしたよ。

 ひょっとしたら夜中にしか居はらへんのかなー、とか思って、夜中まで待ちましたよ。吹部さんの干渉とか、リノの小さな演奏会とかな、そんなんして待ってましたよ。あとついでに楽器とか教えてもらってたらな、余裕で十二時越えられましたよ。

 そこから今日は始まります。

「やっぱ誰も居らんなぁ」

「そうみたい……あれ?」

「どした?」

「今、何か上から大きいのが落ちてきたような……気のせい?」

「…………いや、うちも視界の端に何か映った気ぃする」

 何? でもボールとか別に跳ねてないで? 落っこちてきたモンも見当たらんで?

「ぎゃぁあああああああ‼」

「うぉわっ!」

 地面から男の人飛び出て来た!

「はー、はー、あー、びっくりした……怖かったー」

「びっくりしたんはこっちや! 怖かったんもこっちや!」

「あん? 誰だオメ」

 イケイケ系な男子。白いTシャツにバスケ部っぽい半ズボン。でも、昼間見たのとはちょっと違うな? そういや、リノの制服もここのちゃうし。

「私はリノ。こっちはレイくん」

「お前男なの?」

「女やで」

「だよな、びっくりした。なんで学ランとか着てんの?」

 びっくりされた! 男って言ってびっくりされた! マジかこの人! 何か……逆にへこむなぁ。

「男役しててん。劇で」

「ふーん。照明か何か落っこちでもしたか? なんか漫画にあったよなー。えー、リノ? は?」

「私……? あんまり覚えてない」

「マジかよ。俺めちゃくちゃ覚えてるぞ。もう、もう、頭ん中で再現できるレベルだぞ。割れたガラスがさぁ……」

「ちょっ! グロいの無理やって!」

 リノも引いてるぞこれ!

「でもまー、幽霊って悪いもんじゃねぇな。行動範囲狭いのは不便だけど」

 体育館の二階に上がって、バスケットボールを落としてくる。……隠してたんか?

「いやー、あと、なんでもすり抜けられるってのも怖ぇよな。びっくりしたわ。天井で横になってたはずが? 気ぃ抜いたらマントルぶち抜いてるからな。あぁああアレはビビった。まだ心臓バクバク言ってんぞ」

「……いつから上に居たの?」

「あー? 今日の昼過ぎかなぁ。時間とか見てねぇわ」

 そらな。時間とか別に関係ないもんな。

「レイ、リノ、お前らバスケとかする?」

「おん、普通レベルにならな。あ、いや、バスケ部の普通とちゃうからな?」

「わかるわ。リノは?」

「私は……バスケわからない」

「このダイ様が教えてやんよ。やろーぜ……引くなコラ」

 いや、つい。自分に様とかつけてたから。

「ダイって言うんやね、名前」

「おう。ダイ先輩でいいぞ。俺ぁ高校生だからなっ!」

 お、スリーポイント決まった。

「高校生かぁ……その割にゃガキっぽいなぁ」

 リノに振ったら即、うなずかれた。

 あ、でもこないだの、トーカの後輩Aと後輩Kも高校生やんね。ってことは、あ、別に普通なんか。

「レイ、リノ、取ってみな」

 ダムダムとボールをつきながら駆けだしたダイ、先輩? おしゃ、ボール取ったらえぇんやな?

「うらぁ!」

 くらえ! レイちゃんキック!

「痛ぁっ⁉ おまっ、蹴るのは無しだろ! バスケだぞ⁉」

「取ったりぃ!」

「取ったりぃ! じゃねぇだろぉ!」

 なんやねん『取ってみな』とかめっちゃキメ顔で言ったくせに。

「リノー、こんな風にやんねんでー」

 コートの外に居るリノに手を振ってみたら、口元に手を当ててお返事が。

「わかったー」

「わかるな! 反則だからなこれ!」

「……ダイ先輩、結構突っ込んでくんなぁ」

「お前バスケできるんじゃねぇのかよ……」

「あ、今のバスケやったん? 何や普通のボール遊びかと思った」

「っなわけねぇだろ、このタイミングで⁉」

 うーん、せやなぁ。そうかも。

「まぁわざとやねんけど」

「殴るぞガキ」

「自分もガキやん。そんな変わらんやん」

 ダイ先輩、カチンと来たようです。血管浮いてます。わー、不良の顔やー。

「あぁん? やんのかコノ」

「おぉ、やったろやんけ……痛だだだだだだ!」

 頭グリグリとか! お前絶対馬鹿にしてるやろ! 痛い痛い痛だだだだ!

「レイくん、大丈夫?」

「死んだわー。無いわーこの人ー。いったー……」

「もうお前死んでるだろ」

 あ、せやった。

「てか、殴ってへんやん」

「手加減してやってんだよ、ありがたく思え」

「へーへー、ありがとーございますー」

「感謝の念ゼロか」

「痛い思いしてなんで礼いわなあかんねん!」

「レイくん、行きましょ。かまうことないわ」

「おん」

 あー、もー。

「お前友達できんくなっても知らんからな! 残念な人生送れ!」

「いや、俺も死んでるっつの」

 あ。

 ……今日は厄日やな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ